第二章
[8]前話
思わず擦れ違った彼等の方を振り向いた、そのうえで言った。
「今メシヤと」
「キュ清酒ですか」
「メシヤに行く?主がご馳走してくれるのですか」
真面目は彼は真剣に考えた。
「教会に行くのでしょうか。それで神父のどなかと一緒に」
「あっ、それは飯屋ですね」
西田も彼等の話を聞いていたのですぐにわかってこう言った。
「飯、ご飯で」
「そうですか」
「屋はお店です」
「ご飯のお店、食堂ですか」
「そうです、今では結構古い言葉ですが」
コンデロにこう前置きして話した。
「食堂を飯屋ともです」
「呼びますか」
「はい」
そうだというのだ。
「日本では」
「そうなのですね」
「メシヤといえば救世主ですね」
「キリスト教では」
「はい、ですが」
それでもというのだ。
「日本語ではです」
「そうした表現もありますか」
「そうなのです」
穏やかな笑顔で話した。
「これが」
「成程、食堂を飯屋と呼ぶとは」
コンデロは笑って言った。
「今知りましたが面白いですね」
「日本語としてですね」
「はい、メシヤともです」
それともというのだ。
「合います、ご飯を食べますと」
「救われますね」
「生きられます、そう考えますと」
「それならですね」
「飯屋、食堂はです」
そうした店はというのだ。
「メシヤですね」
「そうなりますか」
「はい、では」
コンデロは西田に笑ったままこうも言った。
「私達も救われる為に」
「これからですね」
「飯屋に行きますか」
「メシヤにですか」
「そうしますか」
「どうでしょうか」
「いいですね、丁度定食のお話をしていましたが」
西田はこのことから答えた。
「まさにです」
「丁度いいですね」
「はい、ですから」
だからだというのだ。
「ここはです」
「飯屋にですね」
「行きましょう、そして」
「救われますね」
「そうなりましょう」
「それでは」
コンデロはそれならと応えた、そうしてだった。
二人で飯屋即ち食堂に行った、そこでそれぞれ定食を食べて救われた。そしてコンデロはそれから食堂を飯屋と呼びよく行く様になった。
メシヤと飯屋 完
2024・2・13
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