第二章
[8]前話
「そういえば何か駅で放送かかってたわ」
「電車が停まってたって」
「あんたの通勤の路線ねと思ってたら」
「私が乗ってた電車が停まったのよ」
「それは災難ね」
「しかも立っている時にね」
「最悪ね、イライラしたでしょ」
こう私に言ってきた、友人はもうラフな部屋着に着替えていて夕食の用意をしている。
「そうだったでしょ」
「うんざりもしたわ」
「わかるわ、誰だってそんな時はそうなるわ」
「そうよね、周りのお喋りにもね」
私は正直に話した。
「だからなんなのとかそれでとかどうしたのよとか悪態ついてたわ」
「言葉には出してないわよね」
「当たり前でしょ、けれどそれでふと鞄に読みかけの本あることに気付いて」
それでというのだ。
「本読んで気を紛れさせたわ」
「そうしたのね」
「それで気も晴れたわ」
「本あってよかったわね」
「全くよ、本に救われたわ」
今回はつくづく思った。
「本当にね」
「それは何よりね」
「ええ、それで帰って今ほっとしてるわ」
「もうイライラしてもうんざりもしてないわね」
「別にね、じゃあ今から着替えて」
「ご飯にしましょう、今日はチキングリルとほうれん草のおひたしよ」
料理上手な友人は笑顔で言ってきた、私も苦手じゃないけれど彼女の方が得意なのはいつも一緒だからよく知っている。
「それでワインもあるから」
「じゃあワイン飲んで気晴らしね」
「そうね、それじゃあね」
「着替えてきてね」
「そうするわ、それで食べ終わったら」
もうプライベートモードに入っていた、それで友人に話した。
「お風呂入るわ」
「じゃあお酒はお風呂入ってからの方がいいわね」
「そうね、お酒飲むしね」
私もそれならと頷いた。
「食べてお風呂入って」
「それで飲みましょう」
「おつまみ何あるの?」
「チーズとサラミよ」
「そっちも楽しみね」
本当に楽しみだった、それでだった。
私はすぐに部屋着に着替えて友人と一緒に晩ご飯を食べた、それから順番でお風呂に入ってからだった。
二人で乾杯してワインを飲んだ、その時にはもう電車の時の嫌な気持ちはなくなっていた。そうして快適にくつろいで一日を終えることが出来た。
だからなんなの 完
2024・1・31
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