八十六 元祖・猪鹿蝶
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必要があった。
だからこそ木ノ葉の里のはずれにあるうずまき一族の納面堂に来たのだ。
死神の面を見つけ、そのままペインと戦闘中の波風ナルの姿を捜す。
ペイン天道が【地縛天星】の術を使うことをナルトは読んでいた。
九尾捕獲の為の技であるコレは強力ではあるが、かなり目立つ。
空中に浮かぶ漆黒の球体を、里のはずれにあるこの納面堂からもすぐに見つけることができた。
更に、対象を捕らえる術ならその対象の位置を把握するのも容易い。
遠く離れた場所でも狙いは定まりやすかった。
本来は山中一族にしか扱えぬ秘伝忍術と、そしてこの片目の“写輪眼”を以って。
こうしてナルトは、ナルの深層世界へ自分の意識を飛ばすことができたのだ。
もっともその間は己の身は無防備になる。
だから再不斬と白を呼びだして、自分が四代目火影と対面している間、近辺を監視してもらっていた。
何故なら、うずまき一族のこの納面堂の場所を、あの大蛇丸ならば知っているかもしれないからだ。
あの情報通である彼を今この時だけはこの御堂に近づけさせるわけにはいかなかった。
だからこそアマルを責任もって木ノ葉の里へ保護するよう命じておきながら、自来也共々、里へ近づけないよう幾重にも足止めを仕掛けておいたのである。
【屍鬼封尽】の封印解除。
その方法をあの大蛇丸なら知り得る可能性があるからだ。
この術は死神を己に憑依させ、自が人柱になる必要がある。
つまりどう足掻いても解除する人間は死ぬしかない。
大蛇丸のように脱皮するか、或いは──。
「……いくらナルトくんが医療忍術に長けているとは言え、無意識下で傷を速攻で治すだなんて無茶すぎます…っ」
みるみるうちに切り裂いた腹が治ってゆくのを見ながらも、心配そうに白はナルトの身体を診る。
波風ナルの深層世界では平然と死神の腹を探って九尾の陰チャクラを手に入れていたが、現実ではきちんとした手順を踏んで【屍鬼封尽】の封印を解除し、四代目火影から陰チャクラを引き摺り出したナルトは、今一度、白に謝罪した。
「出血を食い止めてくれて感謝するよ、白」
既に完治しているナルトの身体を診て、ようやく肩の力を抜いた白がそれでも心配そうな視線を向けてくる。
その視線を受けて苦笑したナルトは再不斬と白を交互に見遣った。
「すこし、疲れた。しばらく休むから外の監視をまた、お願いできるかな?」
「…っ、はいっ!もちろんです」
嬉しそうにすぐさま返事した白に引っ張られた再不斬は、なにか言いたげだったが、ナルトにひらひらと手を振られると、観念して溜息をついた。
納面堂の外へ連れられ、白と共に監視についた再不斬は、肩越しに御堂の扉の隙間を振り返る。
外した死神の面を
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