暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第99話:シュミット3佐と高町1尉の一日
[5/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
られて見ると、なのはが左手を押さえていた。

「どうした!?」

「え? うん・・・指切っちゃった」

「なっ・・・大丈夫か? 見せてみ」

「大丈夫だよ・・・」

「いいから!」

なのはの左手を見ると、人さし指に結構深い切り傷ができていた。
俺は自室の救急パックから治療テープを取り出し、キッチンへととって返した。
キッチンには茫然と立ち尽くすなのはと、心配そうになのはの足に抱きつく
ヴィヴィオがいた。
俺がキッチンに入ると、足音で気付いたのか、ヴィヴィオが俺の顔を見上げる。

「パパ・・・」

「大丈夫だから、リビングにいっておいで」

「うん・・・」

リビングに向かうヴィヴィオの背中を見送って、
いまだにキッチンに立ち尽くすなのはに近づくと、左手の傷にテープを巻いた。

「大丈夫か?」

「・・・うん」

「後は俺がやるから、リビングに行っててくれ」

「でも・・・」

「いいから俺に任せて、ヴィヴィオを安心させてやれよ。すげえ心配してたぞ」

「わかった・・・。ありがとね」

キッチンを離れるなのはを見送ると、小さく息を吐いて夕食作りに戻った。





普段よりも言葉少ない夕食を終えて、俺はキッチンで後片付けに勤しんだ。
なのはとヴィヴィオは一緒に風呂に入っている。
シンクに積み上がった食器の大きな汚れを水で洗い流し、
食器洗い機の中へ入れていく。
すべての食器を入れ終わり、スイッチを入れたところで、
バスルームのほうから、にぎやかな声が聞こえてきた。
キッチンを出ようとしたところで、全裸のヴィヴィオがバスルームの方から
走ってきた。
俺がヴィヴィオを捕まえるために、ヴィヴィオの前に出ると。
ヴィヴィオは俺に向かって、タックルでもするように飛び込んできた。

「あっ、パパ!」

「こらっ。家の中とはいえ、素っ裸で走り回っちゃダメだろ。
 戻って服を着てきなさい」

「はーい」

笑顔で頷くヴィヴィオを床に下ろしたとき、脱衣所のドアが開く音がした。

「だめじゃない、ヴィヴィオ。ちゃんと服着ないと風邪ひく・・・」

バスタオルを体に巻いたなのはが、脱衣所から姿を現す。
瞬間、目が合った。少しの間見つめあう。
次の瞬間、なのはの顔が真っ赤に染まった。

「ゲ、ゲオルグくん!? なんで??」

「なんでって・・・。ここ、俺んちだしな」

「それは・・・でも・・・・」

なのはは相変わらず真っ赤な顔で立ち尽くしている。
俺はヴィヴィオの手を引いて、なのはに近づく。

「ヴィヴィオを頼むな。早く服着ないとお前も風邪ひくぞ」

「う、うん」

なのははぎこちなく頷くと、ヴィヴィオの手を引いて脱
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ