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不可能男との約束
青空の下での奇襲
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「燃焼系の術式符だ!」

全員が、即座に計算をし、間に合わない事を察して、体の反射と言う反応に身を任せる。
爆破が来るのだ。
そして、それは一瞬の間を得て、来た。
熱風はそれ自体で凶器と変わる。それを誤って吸えば、間違いなく肺や喉が焼けてしまう。故に息は止め、目を瞑る事によって、熱風を防ぐ。
そして、脳内思考ではこの状態を危険と判断する。
こんな状態で、どうやって、敵と戦えと言う。
余りにも無防備過ぎる状態だ。狙ってくださいと言う格好が今の自分達の姿だとはっきり言える。

「や、やべぇ……! お、俺、戦場で土下座なんて初めてやっちまったぜ……!」

「ば、馬鹿やろう! 情けなくなるから言うんじゃねえ!」

「とか言いつつ、あんたの土下座が一番……!」

皆で内燃排気を無駄にしてのボケをかましながら、この状況をどうする!? と内心で叫んでいると

「───会いました!」

澄んだ声と共に、一つの轟音が炎を払った。
勿論、祓ったのは音ではない。
水だ。
何故そんなものがと思うが、今は自分達が普通に息をすることが出来るようになったという事に感謝の念を感じる。
故に彼らは叫んだ。

「流石は我らの最終巫女型決戦兵器……!」











「だ、誰が最終巫女型決戦兵器ですか!?」

不名誉な渾名に思わず叫びながらだが、手を動かす事は止めない。
狙うは大型木箱(コンテナ)に詰められている水である。
それにより、町の鎮火をする事によって、巫女として出来る限りのことをするのが、自分の仕事である。

……何故か、私が出るって言ったら、皆がまるで畏怖するかのように私を見ていたことが気になるんですが……

何故自分はそんな誤解を受けるようになってしまったのか。
少々、問い質したい気分だが、そんな場合ではないのは知っているので、内心に封じ込めながら、次の弓を構えていると、自分を捉えたのか。
三征西班牙の学生が全員、何故か血走った顔でこちらを見ながら

「ひぃ……! あ、あれは、噂の武蔵の股間破壊巫女!」

浅間はその台詞に笑みを込めて、弓を手放した。













「書記! 大型木箱を宙に回していた輸送牽引帯を全て切除できました!」

学生の一人から、その報告を聞きながら、ネシンバラは礼を言って、戦況を見渡した。
さっきまで、あれだけ普通の姿を見せていた、武蔵は今や、破壊と煙の町に変わっている。
その能動さに、ネシンバラは忘れないという考えを、脳に留めながら、期待を発する。
軍師である自分は動けないし、そもそも、自分の力は集団性では対応が難しい。
相対ならばともかく、乱戦では普通に特務クラス達に任せた方が安全で
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