青空の下での奇襲
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導きの焔《エル・フエゴ》"迎受」
瞬間、彼らの間に青白い炎が浮き上がり、投げる方の手や足腰に十字型の紋章が浮かび上がり
「風は背に、見るべきは前に、力は肩に、意志は胸に、たとえ天に光無くとも、我らの力を思い起こさせ闇の中で照らし賜えよ聖なる炎」
祝詞が完成された。
選手としての、勝利の祈りは済まされた。
後は投げるだけ。
振りかぶるその姿勢は、敵味方問わずに感嘆の溜息を吐かれ。
投げた。
「燃えろ魔球……!」
剛速球となった鉄球は確かにえげつない勢いと力を込められているのが素人目でも解る。
故に、直撃を受ければ背後の町が粉砕されるというのが理解できたが故に、あえて鉄球の前に躍り出る学生達。
十人の学生が集まり、術式防盾を構える。
甘く見積もって、6。
厳しく見積もって8つは抜かれると考えての防御。
だが、相手は特務クラスである。故に万全の防御に見えても、突破してくる可能性の方が高い。
故に
「防盾を傾斜させろ! 垂直だと付き抜かれる可能性が高いぞ!」
言葉通りにした。
そして、一瞬の衝撃が腕を通して、体に伝わる。
そのはずだった。
「……?」
その一瞬は何も感じなかった。
外したか、もしくは目測を誤ったかと一瞬考えたが、それは甘い思考だと誰もがそう判断したし、自分達がそこまで凡ミスを、それも10人揃ってするはずがないと判断できた。
では、ボールはどこにという考えは背後から聞こえた。
背後の町が破壊されたのだ。
「……!」
馬鹿なという言葉が脳内に浮かび上がると同時にバルデス妹の声が、その場に響き渡った。
「ストライク……!」
背後の町の破壊された光景を見て、やはり、鉄球が町を破壊したという事実を受け入れなければならない。
言うなれば
「消える魔球って……何だその夢みたいな必殺技は……!」
正しく魔球だという事を全員が認識すると同時に思い出すのは、自分達の副長の技である。
あれも、確かに消える技ではあるが、しかし、剣神は術式を使えない。
己の流体を全て、自信の強化に注ぎ込んでいるからである。
つまり、あれは純粋な体術であるという事だ。
こちらは術式により発生されたものである。
どちらの方が厄介かというのは、どちらの技も解明できていない故に、何も言えないのだが、ようはどちらも困難であるという答えが出てしまうのである。
だから、こんな世界につい
「……ハッ」
笑ってしまうのは許してもらいたいものだと学生達は思うが、現実は残念ながら刹那の連続である。
上空からの攻撃による投下弾から、中身が零れ落ちる。
内容は反射の勢いで誰かが叫ぶ。
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