青空の下での奇襲
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肩のハードポイントに何かを装備している事を発見した。
何だと、思考する前にそれが落ちてきた。
「気をつけろ! あれは投下弾だこんちくしょう!」
『弾頭に迎撃開始ーー!』
学生と書記の声が重なり、そして迎撃を開始する。
対空用の術式には被追尾性を敵に与えてから迎撃するもので、迎撃としては高性能の能力を持っている術式なのだが
「横を忘れるなよ……!」
すると、今度は左舷側から強烈な音と鋭い声と共に破壊の音が響き渡った。
ワイバーン級3艦が左舷側に浮いており、その中央の艦には二人の男女がグローブをつけ、帽子を被っていた。
その姿を見たものは息を呑んで語った。
「あれは"四死球"バルデス兄弟! 何て、恐ろしい秘密兵器を出してきたのだ三征西班牙……!」
「うわー。兄貴、聞いた? 秘密兵器だって。私ら人気になったものだねー。去年はベストエイトで終わったっていうのに」
ああ……と神妙そうに頷く両軍。
そこで、何故三征西班牙の学生までもが、頷くのだと眉を顰めたら
「兄が最初に四球投げたら、全部が全部、打者の鳩尾に吸い込まれて、一点入り、それを笑った妹が兄と交代をして、投げたと思ったら、それは全部打者の股間に放たれて、全員が保健室送り。そこで相手に四点追加だったが、選手が既に八人いなくなって試合終了───お前ら、ルールって言葉と概念、知ってるか?」
「ち、違う! 別に打者相手に狙って投げたんじゃなくて、単にボールが友達を求めて違う玉に向かっただけだからね! そもそも、最初に兄貴が余計なアホシーンを見せたせいで、頭にイメージがこびりついたんだよ!」
「妹よ。兄はお前と違って、ちゃんとルールに従ってボールを投げた」
「……兄貴のルールって何?」
「ああ───つまり、兄が思うがままに投げるという事だ」
「お前、常識を学べよ!!」
両方の学生から叫ばれて、妹の方は全くだ、と頷いた。
しかし、そこで会話の流れを断ち切るように構えを取った。
野球部が構えを取るときに、どんな構えを取るかは四択だ。
ボールを取るのか、ボールを打つのか、走るのか───投げるかだ。
妹の姿勢は右からのアンダースロー。
兄の姿勢は左からのオーバースロー。
余りにも、逆な姿勢から放たれようとしている鉄球。
だが、その前に彼らは祈るような仕草をした。
「───我らが豊後水軍、渡辺家より航海の聖者セント・エルモに祈りを捧げます」
祈りは声に、声は力に、とでも言いたげな態度と姿勢に力が籠る。
振りかぶるのである。
彼等の腰からは聖術符の発動によって光の霧が生み出されており、一種の幻を見ているかのように錯覚する。
「───走徒"|
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