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ドリトル先生と奇麗な薔薇達
第四幕その六

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「うっとりとするよ」
「うん、確かにね」
「あの作品は素敵よ」
「先生がそう言うのも当然だよ」
「それだけの作品だよ」
「そうだね、貴族社会を奇麗に描いていて」
 そうしていてというのです。
「それでね」
「大人の女性と大人になる少女」
「そして大人になる少年」
「三人共演じるのは女性」
「舞台はウィーンでね」
「物凄く優雅な世界だよね」
「貴族については反感を持つ人も多いけれど」
 それでもというのです。
「奇麗だね、歌劇自体をブルジョワとか批判する人いるもね」
「まあお金はかかるね」
「そうしたジャンルだね」
「歌劇場のお金って高いし」
「オーケストラの演奏だってね」
「けれどソ連だってね」
 ブルジョワと言われる人達を批判していた共産主義の国家もとです、先生は皆に思慮深いお顔でお話しました。
「そう言ってもね」
「歌劇上演してたしね」
「それも盛んに」
「そうだったしね」
「むしろ貴族の娯楽を人民が手に入れた」
 先生は言いました。
「そうした感じだったよ、だからね」
「それでだよね」
「歌劇をブルジョワとか言っても」
「理屈に合わないわよね」
「どうにも」
「そうだよ、そう言って否定することは」 
 そうした行為はといいますと。
「それだけで自分の趣味や教養を狭めることだよ」
「全くだね」
「ブルジョワとか言ってそれはないよね」
「本当に」
「僕の知っている人でこうしたこと言う人がいるけれど」
 歌劇をブルジョワつまりお金持ちのものと言って批判する人がです。
「この人阪神タイガースも嫌いでね」
「えっ、関西人だよね」
「それで阪神嫌いなの?」
「珍しいね」
「野球に興味ないなあ兎も角」
「うん、関西人でもね」
 実際そうでもというのです。
「阪神ファンの人達が全体主義的とか言って」
「そうかな」
「何処がそうなのかな」
「熱狂的とは思うけれど」
「全体主義的かな」
「そうなのかしら」
 皆先生に言われて首を傾げさせました。
「そうは見えないけれど」
「とても」
「本当にね」
「僕達と見方が違うにしても」
「理解出来ないわ」
「巨人に勝った時の甲子園から帰る電車が凄いとか言ってね」
 そうであってというのです。
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