第三幕その八
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「日本人ならではのところが見えるね、薔薇の置き方とか」
「あっ、左右対称じゃないね」
「そういうのないよね」
「薔薇園もそうで」
「他の場所もね」
「お庭みたいにしていても」
それでもというのです。
「左右対称じゃないね」
「欧州や中国だと左右対称にするのに」
「日本は違うよね」
「自然の配置を再現する」
「そんな風だね」
「そのことを実感するよ」
植物園に行ってもというのです。
「立派に手入れされていて」
「それと共にね」
「自然のまま」
「左右対称じゃない」
「そうした植物の配置だって」
「人工の川やお池をもうけていても」
そうであってもというのです。
「自然の在り方を再現してるね」
「そうそう」
「そうなんだよね」
「日本だとね」
「植物園でもね」
「あの植物園でも感じるよ」
先生はしみじみとしてお話しました。
「ああ、日本だなってね」
「薔薇園でもね」
「見事に左右対称じゃないから」
「自然を再現したかの様な配置でね」
「道にしてもね」
「欧州の宮殿だと」
先生はイギリスやフランスの宮殿を思い出しつつ言いました。
「お庭、庭園は左右対称で」
「道だってね」
「左右対称でね」
「奇麗に整えてるよね」
「同じ奇麗に整えていてもね」
そうであってもというのです。
「本当にね」
「そこが違うね」
「日本のそうしたところがわかるね」
「薔薇園でも」
「イギリス風にティーパーティーを行っても」
それでもというのです。
「イギリス生まれの僕から見ると」
「そこがだよね」
「日本だなって思ったね」
「そうだね」
「そうだよ、そしてね」
そのうえでというのです。
「面白いと思ったよ」
「日本にいるってね」
「日本ならではだってね」
「そう思ったね」
「先生も」
「そうだよ、まあイギリスの趣をね」
それをというのです。
「再現している場所もあるね」
「そうだよね」
「そうした場所も植物園にはあるね」
「欧州風の場所や中国風の場所も」
「しっかりとね」
「うん、けれど基本は」
それはといいますと。
「やっぱりね」
「日本だよね」
「日本だけあって」
「そうなってるよね」
「庭園も」
「それが面白いね、いや日本の薔薇園でティーパーティーなんて」
先生は笑顔でお話しました。
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