第二章
[8]前話
「ワン」
「ワンワン」
マーリーだけでなくだ。
マーフィーもこのことを喜んだ、それを見てイーズデールは同僚に言った。
「よし、後はな」
「家族を探そう」
「十一匹の子達も」
「そうしよう」
見ればだった。
「ワン」
「ワンワン」
「ワフッ」
「ワオン」
「ワンワン」
「ワンッ」
「ワオンワオン」
「ワンワンワン」
「クゥン」
「クンクン」
「クオン」
十一匹の子供達は皆母親似で元気だった、それぞれアインス、ツヴァイ、イー、リャン、ワン、ツー、イチ、ニ、サン、サード、ミッツと名付けられた。そうしてだった。
それぞれ家族が見付かってだった、そのうえで。
「マーリーとマーフィーもな」
「それぞれ家族が見付かったな」
「ああ、よかったよ」
イーズデールは同僚に笑顔で話した。
「しかもどの子も近い場所に家族があるから」
「何時でも会えるしな」
「よかったよ」
「全くだ、これはな」
まさにとだ、同僚も言った。
「友情への神様の贈りものだな」
「そうだな、マーリーとマーフィーのな」
「そうだよな」
「本当にな」
イーズデールもその通りだと応えた。
「そうだな」
「全くだな、そしてこれからもな」
「二匹はいつも会えるし」
それだけの距離にそれぞれの家族が暮らしているというのだ、マーリーの十一匹の子供達もである。
「それじゃあな」
「友情はそのままだな」
「そしてこれからも」
「あの娘達は一緒だよ」
「そうだな」
こうした話をしてだった。
二人は施設にいる生きもの達の世話をした、そうして彼等を幸せにするのだった。
友達の傍から離れない犬 完
2024・7・22
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