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友達の傍から離れない犬
第一章

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                友達の傍から離れない犬
 その通報を受けてだった。
 フェイス=イーズステール動物救助スタッフをしているバスケットボーラーの様な外見の彼はこの時同僚と共に通報された場所に急行してだった。
 そこにいる二匹の犬を見てだ、こんなことを言った。
「事故を受けた子はわかるが」
「この子だな」
「クゥン・・・・・・」
 見れば黒のジャーマンシェパードが横たわっている、雌である、
「それはわかるが」
「この子は何だ」
「雌みたいだけれどな」
「クゥン」
 見れば茶色のふわふわした毛の中型犬もいた、通報によれば交通事故に遭って怪我をして横たわっているシェパードの傍から離れない。
「この娘は」
「友達か?同じ野良犬の」
 同僚はこう言った。
「まさか」
「友達か。離れない感じだしな」
「この娘も保護するか」
「そうするか」
 二人で話してだった。
 実際に保護した、すると。
「重傷だったな」
「ああ、酷かったな」
 イーズデールも同僚もシェパード、マーリーと名付けられた彼女が獣医から診察を受けた後のことを話した。
「あちこち骨折してな」
「暫く動けないみたいだな」
「しかも妊娠している」
「十一匹もな」
「だったらな」
 そうした状況ならとだ、同僚は言った。
「あの娘も離れないな」
「マーフィーもな」
 茶色の毛の娘はこう名付けられたのだ。
「そうするな」
「友達としてな」
「今も離れないしな」
「ずっと傍にいるよ」
「野良犬同士で」  
 そうであってとだ、イーズデールは話した。
「寄り添い合って助け合って生きてたんだな」
「それだけに絆は深いな」
「ああ、だったらな」
 それならというのだった。
「俺達もな」
「その友情に報いるか」
「治療も出産も助けて」
「二匹も生まれてくる子供達も幸せにしないとな」
 こう話してだった。
 二人も他のスタッフ達も二匹の為に頑張った、治療だけでなく食事も万全で施設の他の生きもの達と共にだった。
 大切に保護した、そして。
 マーリーは出産した、十一匹全員無事に生まれ。
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