第3部
サマンオサ
これをデートと呼ぶかは以下略
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間の抜けた返事をしたのが悪かったのか、それきり彼は話題にすることはなかった。
私が、ルークのことを好き……?
確かに魔物を一人で倒すくらい強いし、優しいし、話をしても楽しい。普通に人として好きだが、今私がルークに言った『好き』は、それとは違う種類だ。
それが私にも当てはまるのか。だがいくら考えても、はっきりとした答えが出てくることはなかった。
「ミオ、どうしたの? まだ先に行く?」
「あ、うん」
ルークに悟られないよう気持ちを切り替えた私は、さらに奥へと進むことにした。けれど湖に沿って歩いていくと、行き止まりになってしまった。やはり辺りには鏡らしきものは見当たらない。
「やっぱりここじゃなかったんだね」
残念そうに言いながら、ルークは踵を返す。だが私の足はなかなか動かなかった。
「洞窟に入ってから大分時間が経ってる。急いで戻らないと」
「……」
しびれを切らしたように声をかけるルークに、仕方なく私は外へと戻る決断をした。私の勘は外れてしまったのか――。肩透かしをくらい、落胆するも、それでも完全には諦めきれず、後ろ髪を引かれる思いで湖の方を振り向く。
「残念だったね。湖は鏡みたいに透き通ってたのに」
ルークの言葉に、私はふと気になって顔をあげた。そして、急いで湖の方まで戻り、じっと目を凝らして水面を覗き込む。
「ミオ?」
波風一つ立たず、まるで本物の鏡のような水面に、私とルークの顔が映し出される。普通ならそれしか見えないはずだが、なぜかその向こうに、何か別のものが重なって見えた。
「何だろう、あれ」
よく見てみると、円く光っているように見える。けれど底の方にあるらしく、相当深く潜らなければ見つけることは難しい。
「お皿みたいに円く光って……。あ、もしかして、鏡?」
「!!」
まさか、ラーの鏡!? あんなところに!?
「確かめた方がよさそうだね。ミオはここで待ってて」
「ちょちょ、ちょっと待って!? なんで脱いでるの!? まさか潜る気!?」
言うや否や上着を脱ぎ始めたルークに、私は顔を真っ赤にしながら制止する。
「あんなに深いところを潜るなんて、無茶だよ!! もし溺れたりしたら……」
「大丈夫。一応泳げるし、波もないから溺れることはないよ。ただ、海と違って浮かないから気を付けないとね」
「いやいやいや、全然大丈夫じゃなくない!?」
私は今にも泣きそうな声で、ルークを引き留めようとした。けれど彼は真顔で私を見返す。
「じゃあ、ミオは泳げるの?」
「……ううん」
ぶんぶんと、大きく首を横に振る。
「なら、適任は僕しかいない。ここで諦めたら、君の仲間が殺されるんだろ?」
その一言に、私の胸がギュッと締め付けられそうになった。
そうだ。3人のためにも、ラーの鏡は絶対に手に
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