第三部 1979年
戦争の陰翳
苦境 その2
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、7ミリメートルほどの穴が開き、中から煙のようなほこりが舞う。
マサキの放った.25ACP弾は、正確に心臓に到達し、女は持っていた短剣を取りこぼした。
女は、断末魔の声を上げるよりも早く、地面に崩れ落ちた。
案の定、ソ連人の女は、マサキの思い浮かべたソ連への強い憎悪に混乱をきたしていた。
マサキの心の闇の深さに恐怖し、彼の付け入るスキを与えることとなった。
振り返りざま、ESP兵士が反撃をしなかったのは、そういう理由があったからである。
――だいぶ若い女だな。
倒れた女を見ながら、そんな感想を抱く。
だが一旦、命を狙われれば、手加減はできない。
自分や、仲間たちの生命が危険にさらされるからだ。
目の前の女は、もうほとんど動く様子は見られなかった。
けれど油断は禁物である。
死んだふりをする可能性があるからだ。
マサキは最後の慈悲として、女の脳天に.25ACP弾を2発撃ちこんだ。
血だまりが手洗い場に広がると、その様子を気にすることなくマサキは去っていった。
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