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冥王来訪
第三部 1979年
戦争の陰翳
苦境 その4
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連絡を入れた。
夕方にならないと都合がつかないから、それまで京都でもぶらぶら歩くか」
「ええ」
 彼女は、やや俯き、頬をほんのり赤く染めている。
「新婚気分で、市内観光するのも面白かろうよ」
 マサキがたわむれに新婚という言葉を出した瞬間、アイリスディーナの全身が発火したように熱くなった。
今までこんな感情をいだいたことがあるであろうか。
「嫌なのか」
「い、いいえ……」
 羞恥の感情が、アイリスディーナの胸を焦がした。
もうまともに、マサキを見ることが出来なかった。
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