第七十五話
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「ああっ!?」
しまったと叫ぶ深板。
「別に滝を割る必要は無いんじゃない?」
ソラが妙案があると口にする。
「ど、どんな!?」
深板とファートがどんな手が!とソラに詰め寄った。
「洞窟の入り口まで転移すれば良いだけでしょ。洞窟の位置は『円』を広げれば分かるし、短距離転移ならそれほど魔力も使わないから問題ないわ」
「なるほどっ!」
「転移なら簡単ですねっ!」
深板とファートが良かったと喜んでいた。
あー…確かに…。深板たちの言葉で割る方に思考が傾いてたよ。
と言う訳でソラの言ったとおりに洞窟の入り口まで転移してやってきました。
「暗いよ…パパ…」
洞窟には光源が少なく薄暗い。中に行けば更に暗くなるだろう。
「ちょっと待って。ソルお願い」
『ライトボール』
フヨフヨと五個ほど光る球体を出してあたりを照らし出す。
「こっから先は特に凶暴なモンスターは居ないはずだ」
と、深板が前世の記憶からそう言った。
この大瀑布を越えられる生き物が少ないのだ。餌も少ないだろうから哺乳類系の生き物には劣悪な環境だろう。
ちょっとした洞窟探検の気分で進むと、半円球のドームの真ん中に溜まり池が見えてくる。その池は光を反射するかのように金色に輝いていた。
「ちょっと待ってくれ」
突然深板が俺達に待ったを掛ける。
「どうしたんですか?」
シリカが後ちょっとなのに何か有るのかと問い掛けた。
「ああ。あの池にはサンサングラミーと言う魚が住んでいるんだ」
「サンサングラミー?」
聞きなれない名前に皆疑問顔だ。
「ああ。その魚は凄く臆病で、少しでもストレスを感じると死んでしまう。特に強い奴の気配に当てられるとひとたまりも無い」
なんだ…その習性は…
「つまり…?」
「アオさん達が近づくと確実に全滅するだろうね」
「ええー!?」
「じゃあどうするのっ!」
ファートの言葉にどうやって目的の物を取るのだと叫ぶなのはとフェイト。
「弱い人間なら問題ない。だからここは俺とファートに任せてくれ」
「つまんなーいっ!」
とヴィヴィオが子供ゆえに我慢できないと言ったが、ヴィヴィオは念を習得している。それゆえ一般人よりは確実に強い。ここは我慢してもらわねばならないか。
「ヴィヴィオが近づくとお魚さんがみんな死んじゃうんだって。ヴィヴィオ、それはかわいそうだと思わない?」
「うー…分かった。ヴィヴィオ待ってるよ」
シリカの説得で何とかヴィヴィオは我慢したようだ。
俺はポリタンクの入った勇者の道具袋を深板に渡し、深板達はそれを持って池へと近づいていった。
「おおおっ!
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