第七十五話
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。どうやら本当の事のようだ。
「そうしてくれると助かります。…これはあなたにお預けしますね」
「すまないな」
と言って俺からその種を受け取った一龍は、興味深そうに俺達を見る。
「ふむ…その年で中々に凄い技術を持っているな。…しかし、それゆえにロスがもったいないのう…」
ロスしている?彼には俺が纏っているオーラが見えているようだった。と言う事は相手は念能力者かっ!
「そうじゃな、興味があれば食林寺と言う所を尋ねなさい。そこで修行すればわしの言っていた意味も分かるじゃろうて」
そう言うと一龍は虹の実の種を持って帰っていった。
「っはぁー」
彼が居なくなると皆緊張の糸が切れたように深呼吸をする。
「彼…途轍もなく強いわね…今の私達でも戦えば負けるかもしれないわ」
「ああ…」
俺と同等の時間を生きているソラをしてそう言わせるのだ。彼とぶつからなくて本当に良かった。特に魔力の再チャージが出来ないこの世界では念に頼らざるをえないのだから尚更だ。
「それにしても、食林寺だったかしら?そこに行けって言っていたわね」
と母さん。
「俺達がまだロスが大きいと言っていたね」
「時間が有れば探してみる?」
と聞いてきたソラ。
「そうだね…それにしても久しぶりに勝てないと感じられる人に会ったよ…この点は反省しないとだね。強くなった気で居る時は凄く危ないし、上には上が居る…」
「うん…」
一龍との邂逅で消耗した俺達はベースキャンプに戻り、そうそうに畳むと街へと戻って宿を取った。
今日は皆ベッドで寝たい気分だったのだ。
その後、どうにか食林寺なる所を探し出し、そこで教えてもらった食義の修行で死にそうになりながらも何とか会得。
食の有難味を骨の髄まで教え込まれました。全ての食材に感謝を忘れない。これは本当に大切な事です。
食義の一つ、食没により最大オーラが爆発的に上昇したのは嬉しい誤算だった。
短い滞在であったが、深板とファートがみるみると太り、出会った頃の彼らの感じに戻ってしまっていたが、まぁ…些細な問題か。
俺が二人にこんな事でよかったのかと滞在が終わり帰還のために乗り込んだ次元航行船の中で問うと、「これでも貰いすぎなくらいだ」とか「十分楽しめた」と言っていたのでよしとしよう。
…
…
…
「その時手に入れたのがこのモルス油。これは本当に便利でこれだけは愛用しているのよ」
お金の節約にもなるしね。とユカリ。
「それでね。その世界にはその後もちょくちょく行って、こっそりと箱庭で飼育と栽培を始めたの。その珍しい食材を偶にアテナ達に気付かれないように夕食で出したりしていたのよ」
「………」
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