第七十五話
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いる感じ?」
ソラもこの石をみてそう分析した。
「中か…」
「割ってみたら良いんじゃない?」
ヴィヴィオが簡単な事じゃんとばかりにそう言った。
「そうだね」
俺は懐から果物ナイフを取り出すと、流を使って切れ味が増したナイフで石を削っていく。
「種?」
キャロの声。
そう、中から出てきたのは何かの種であった。
「何の種だろう」
「撒いてみたら良いんじゃないかな」
「なのは…そんな事をしても芽が出るまで何日掛かるか…」
「フェイトちゃん、そこはアオさんの能力で時間を速めればどうって事は無いよ」
「あ、そうか」
と言う言葉を交わすと皆が俺に視線をよこした。速く埋めろと言わんばかりの視線だった。
「あーちゃん、速く」
母さんにまでせかされた俺は仕方なく近場の地面に種を埋めると『クロックマスター』で時間を加速させた。
木はぐんぐん伸びるとやがて幾つかの大きな実をつけた。
「果物…だね。それにしては…」
その強烈な匂いに唾液が溢れてくる。
「おいしそうな匂い!食べてみたいっ!」
今にも幹を上りその巨大な実に噛り付かん勢いのヴィヴィオを何とか止める。
「パパっ!?」
非難がましい目で見られようが、今まで取ってきた食料と同じくディテクトマジックやソルにサーチしてもらい、毒物が入ってない事を確認しなければ危なくて食べるわけには行かないのだ。
『どうやらこれは虹の実と言う植物らしいです。現在では絶滅してしまったと言われているようです。食用であり特に毒や麻薬成分は入っていません』
この世界に来て直ぐに大金をはたいて買った食材のデータ。その膨大な食料データをソルにインストールし、ソルはその中から検索をかけて出てきた情報を伝えてくれた。
「大丈夫なの?ソル」
『はい』
「やったっ!」
安全だと分かったヴィヴィオは俺の手からすり抜けると猿のようにするすると木を登り、虹の実に取り付くと下を向いて声を上げた。
「落とすよーっ…えいっ!」
「おっとと…って!おもっ!」
ブチっともぎ取られて落下してくる虹の実を受け取ろうとキャッチして余りの重さに危うく取り落とす所だった。
「つぎいくよー」
と言って五個ほど実った虹の実をひょいひょい落として行き、それをソラ、なのは、フェイトがキャッチしていく。
「わっ!」
「お、重いッ!」
「これは…凄く濃厚な匂い…」
「わ、わわっ!」
「エリオくんっ!?」
最後の一個をキャッチしようとしたエリオを後ろから支えるように腰を抱き、片手で虹の実をキャッチしたキャロ。
「あ、ありがとう…キャロ」
「ううん。エリオくんに怪我が
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