第七十五話
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た。…これなら大丈夫だろう。生き物の死を慈しめるのなら、自分の力を自制する心を持てるはずだ。
「エリオくん!?」
「ぐっ…かはっ…ごほっっ!」
むしろ今やばいのはヴィヴィオよりもエリオだった。彼は生き物の命を奪うと言う現場に立ち会ったことが無かったのだろう。突如として目の前でその命が消えてしまった事にショックを受け、嘔吐してしまったようだ。
これは俺も経験がある。大丈夫だろうか…最悪は記憶を消さなければ成るまい。
ぱちぱちと焚き火の弾ける音がして、その上の鍋からこぽこぽとスープの茹る音が聞こえる。
ヴィヴィオの倒したラグーベアで作った熊鍋だ。臭みが全く無く、煮込めば煮込むだけ美味しさが増し、それでいて硬くならないその肉は正に絶品であった。
夕食が終わり、焚き火に薪をくべていた時、焚き火の反対側に立つ影に視線を上げた。
「エリオか。…どうした、まだショックから立ち直れないか?」
「いえ…それはなんとか…」
「そっか」
どういう答を出したのかは分からないが、その表情をみれば負の方面には行っていないようで安心した。
「それじゃ、他に何か用があるのか」
「はい…ヴィヴィオが使ったゼツとかケンとか言うのはいったい何なのでしょうか」
ああ、それか。エリオはヴィヴィオの戦闘力の異常さに答えが欲しかったのか。
「教えても良いけど、別に知らなくても良い技術だね」
「そう…なんですか?…あの、その技術、キャロは使えるんですか?」
「ここに居る人間で使えないのはエリオだけだね。ただ、無闇矢鱈に教えてもいい技術って訳じゃない。家族や近しい人物で信頼できる人間になら、と言う感じかな」
シリカみたいに事故で精孔が開いた場合や、ヴィヴィオみたいにどうしても必要だった場合は教えちゃってるけども。
「僕は…」
「別にエリオになら教えてもやっても良いんだけど、キャロを一生離さないと誓えるならね」
「…っ!?」
なんて冗談を混ぜるとエリオは真っ赤になって押し黙り、駆けて行った。
「あらら…でもまぁ、本当にそれくらいじゃないと…ね」
一時間後に帰ってきたエリオは真っ赤になりながら答を言い、念法を覚える事になる。これでようやく俺達は家族として隠し事がなくなったようだ。
探索二日目。
森の中の崩れ落ちて削られた斜面の断面の中に一際輝くオーラを纏った石が埋まっていた。
「これは?」
引っこ抜いてまじまじと見つめる。
「なに、その石」
フェイトの声に周りにソラ達が寄ってくる。
「いや、良く分からないけれど、結構強いオーラを感じたから」
「あ、本当だ」
と凝をしたなのはが言った。
「中に何かが入って
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