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とある星の力を使いし者
第172話
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去ってしまう。
自分以外いないホームシアター。
照れを隠そうと、飲み物を口にする。
しかし、中身は空になっているがそれに気がつかないほど、テンパっている芹亜はそれに気がつかず何度もストローを思いっきり吸い上げるのだった。





アリゾナ砂漠。
大雑把な道が一本だけ伸びている道の途中で、停車しているオフロードカーのボンネットに腰かけている一人の男が居た。
御坂旅掛。
世界に足りないものを提案する事で、暴力に頼らずに世界をより良い方向へ導いていく事を生業とする男だ。
旅掛は通話を終えた携帯電話をポケットに入れる。
彼は先程、学園都市統括理事長、アレイスター=クロウリーと会話していた。
内容は世界中に散らばっていた『原石』の事。
そして、自分の娘にそっくりの少女が世界各国で目撃された事だ。
旅掛はアレイスターに自分の娘や妻に手を出したら、自分はどんなことをするか分からないぞ、と警告して通話を終えた所だった。

「娘と妻を愛し、守る為に世界に足りないもの提案する男。
 これって何かの記事にできると思わない?」

「こういうのはひっそりと頑張ってこそ、輝くものだと思うがな。」

オフロードカーのボンネットを下りた所に、一人の男が立っていた。
始めからそこに居たかのように会話をするが、旅掛は一切動じず、会話する。
とある高校の制服に身を包み、白髪の男。
『麻生恭介』は親しげに話しかける。
正し、外見は『麻生恭介』だが精神(なかみ)はユウナという人格だ。

「久しいな、ユウナ。
 こんなむさ苦しい所まで来る用事は何だ?」

その事も旅掛は分かっているのか、彼をユウナとして話しかける。
アリゾナ砂漠で冬服を着ているユウナだが、汗は一切掻いていない。

「ちょっと話さないといけない事があってね。」

オッレルスや芹亜に話した内容と同じ事を伝える。
それを聞いて、旅掛は神妙な面持ちで答える。

「世界を渡り歩いているが、守護者とは会った事がない。
 覚醒しているのなら俺を一目見ただけで分かる筈だ。」

「つまり、成果はなしと。
 旅掛なら一人くらい出会っていると思ったんだけどな。」

男性の身体なのだが、仕草は完璧に女性ものだ。

「その身体、麻生恭介はどうだ?」

「この子?
 まだまだね、根本的に星の何たるかを理解していない。
 今ならダゴン秘密教団の幹部はもちろん、そこそこ強い奴でも勝つのは難しいわ。」

「ユウナが蘇れば済む話じゃないのか。」

「駄目よ。
 芹亜にも言ったけど、私は遠い過去の人間。
 こうやって外に出る事は星に負担をかけるし、何よりこの子の為にならない。
 今は緊急事態だから、動いているだけ。
 私が動くとき、それはバルドと戦う
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