第133話『文化祭2日目』
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しくない、可愛らしい行動だ。
「すげぇ怖がってんじゃん。光、俺の後輩をいじめるなよ」
「別に。先に生意気言ったのそっちだし」
「何言ったの、結月?」
「もう一度口にしたら実験台にするわよ」
「……やっぱいいや」
どうやら結月が何か失言をしたことで光を怒らせてしまったようなのだが、それに言及すると晴登にまで飛び火しかねないのでここではやめておこう。
「じゃあ用は済んだので、これで失礼します」
「おう、文化祭楽しめよ」
不機嫌な顔をしてそっぽを向く光をよそに、終夜は笑顔で送り出してくれた。
*
さっきアーサーの話を終夜に伝えたところ、彼はすぐに自分の役目を理解し、快諾してくれた。受験で忙しいというのに、やっぱり終夜は頼りになる先輩だ。
ということで当初の目的を果たし、とりあえず面白い出し物はないかと二人はぶらつく。
「結月、茜原先輩に何言ったの?」
「ハルトが実験台にされちゃうから言わない」
一体光に何をされたのか、結月はさっきからずっとこんな調子だ。しかし、晴登にとっても光は恐怖の対象なので、怯える気持ちはわかる。
「あ、結月あれ見てよ」
「わぁ〜キレイ〜」
「ウェディングドレスかな? 綺麗だね」
「うぇでぃんぐ……? 何それ?」
「あ、知らないか。ウェディングドレスは結婚式の花嫁衣裳のことだよ。他にも和服とかもあったりで──」
「見ていきますか!? 試着できますよ!」
「「うわっ!?」」
廊下を歩いていると、純白の綺麗なドレスを見かけたので、気分転換がてら結月に見せてみる。すると、ドレスを展示していた教室の中から女子が飛び出してきた。
「お二人さんカップルですか!? ここは『コスプレプリクラ』です! 記念にお写真どうですか!」
「カップル……! ハルト! ここ入ろうよ!」
「コスプレはもう懲り懲りなんだけど……まぁいいか」
コスプレと聞いて少し抵抗感を覚えるが、結月が乗り気だし、さすがに女装させられることはないだろうと了承。
結月の希望で二人とも結婚式の衣裳で撮影することになった。……え、マジで?
「最近女装してたせいで、こっちが普通だって忘れかけてたな」
結月はウェディングドレスなので、それに合うように晴登が着るのはタキシード。着替えはすぐに終わったので、姿見を見ながら何となく襟を直してみる。
サイズはぴったりなのだが、結月の執事服ほど似合っている感じはしない。例えるなら、中学生が背伸びして大人ぶってる感じ。いや、その通りなんだけど。
「花嫁さんが準備できましたよ」
ようやくかとその声に振り向く。そ
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