第三部 1979年
戦争の陰翳
核飽和攻撃 その2
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型のBETAもろとも、小型核の爆薬で吹き飛ばせば、仲間は逃げられる。
機体を操縦するアルメニア人の伍長は、腰にある雑嚢から折れ曲がった紙巻煙草を取り出す。
もしもの時にとっておいたフィルター付きタバコで、銘柄はウィンストンだった。
伍長は戦闘の間我慢していたタバコを咥えると、火をつけた。
最期の一服とはこんなものかと考えながら、核ミサイルの点火装置に指を置く。
残存したバラライカは、急いでエネルギアロケットに乗り込むと、月面を後にする。
その直後、大平原の静かの海は、核の火焔によって赤々と照らされ、真昼のように明るくなった。
上空では、待機していたロケット部隊や駆逐艦が一気に戦域から離脱し始めた。
こうして、ソ連の特別攻撃隊は、MIG-23と数機のバラライカを残して、全滅した。
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