第四章
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そのうえで文武二道に励んだ。教導団において己の鍛錬を続けた。教導団を卒業しても彼は鍛錬を続けていた。その中でだ。
戦争の時が来た。日本と清の間が緊張してきた。それが高じて遂に開戦tなった。
それで陸軍、茂平がいるその軍も朝鮮半島に出兵することになった。彼はこの時下士官から昇進し少尉になっていた。ただ彼は前線ではなく憲兵隊にいた。
憲兵は軍の規律を取り締まる兵科だ。そこにおいて彼はこう部下達に言っていた。
「我等は軍人だ」
「それ故にですね」
「断じて」
「そうだ。軍人らしからぬ振る舞いはするな」
それは断じてだというのだ。
「軍規を乱す者には容赦せず」
「そして我等もですね」
「例え何があろうとも」
「我等もまた然り、いや」
それどころではないとだ。厳しい声で部下達に言う。
「憲兵であるからこそだ」
「余計にですね」
「憲兵だからこそ」
「軍人として相応しからぬことはせぬ」
それは断じてだというのだ。
「よいな。略奪暴行は厳禁だ」
「軍規軍律に違反すること一切」
「してはなりませんね」
「その通り、我等はその軍規軍律を守る立場にある」
だからこそ余計にだと。彼は言っていく。
「わかったならばだ」
「はい、我等ここに誓います」
部下達は一斉に敬礼して述べる。
「この戦において軍規軍律を徹底し」
「軍人として恥ずべき行いのない様にします」
「断じて」
部下達も誓う。茂平は軍人として恥じぬ行いを誓い憲兵隊の将校として軍務に就いた。日本軍は規律正しく醜い行いは一切なかったと言っていい。
しかしその中で問題が起こっていた。将兵達が次々と倒れていっていた。
それは憲兵隊でも同じだ。脚がむくみ動けなくなっていた。脚気だった。
古くは江戸腫れ、大坂腫れと言われているこの病に茂平の部下達も多く倒れた。彼はこの時前線の規律に当たっていたがそのテントの中でこうまだ動ける部下達に言っていた。
「今は二割か」
「はい、この部隊の二割が脚気です」
「脚気で倒れています」
部下達は苦い顔で彼に話す。
「しかもこれから増えることが考えられます」
「深刻な事態かと」
「わかっている。しかしだ」
茂平は難しい顔で述べた。
「脚気はな」
「菌が必ずあるとのことですが」
「ですが」
部下達は苦い顔のままだった。その顔で話していく。
当時脚気は伝染病で脚気菌があると思われていた。こう言っていたのは軍医の森林太郎だ。小説家、翻訳家でもありその名を森鴎外という。
その彼の主張が陸軍の考えになっていた。それで彼等も今脚気菌というものについて話しているのだ。実在しているという前提で。
「まだ見つかりませんな」
「森先生も必死に探しておられますが」
「薬さえ見つかれば」
「
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