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武士
第一章
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「家族の仕事を手伝わないこともですか?」
「それも全部駄目だ」
 とにかくあらゆることが駄目だった。子供の考える悪いことは。
「ものを盗むなんて問題外だからな」
「ううん、兵隊さんになれるのって難しいんですね」
「当たり前だ。武士だぞ」
 それ故にだとだ。先生はまた厳しい口調になって話言う。
「だからだ。文武二道でだ」
「悪いこともしない」
「いいこともするんだ」
 ただ悪いことをしないだけではなかった。さらにだった。
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