2話 シンオウチャンピオン戦
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シンオウ地方のチャンピオンであるシロナは、現在ある事に悩まされていた。
「ねえ、これどう思う?」
側にいたポケモンリーグのスタッフに見せたのは、一冊の新聞の記事。
その記事の見出しにはこう書かれていた。
『ホウエン地方、カントージョウト地方を制したチャンピオングレイが今度はシンオウ地方に殴り込みか!?』
チャンピオングレイ。
シロナは最近この名前をよく耳にしていた。
何でも、ホウエン地方、カントージョウト地方においての歴代最強チャンピオンと言われており、非公式ながらもカントー地方において最強と謳われた生きる伝説レッドにも勝利したとか。
そして驚く事に全ての公式戦を3体のポケモンのみで勝利しているというのだ。
シロナは思った。
何だこの化け物はと。
シロナとて、シンオウ地方において無敗のチャンピオン。
弱い訳がないし、シロナ自身今まで誰にも負ける気がしなかった。
だが、それでもある一定の実力以上の相手にフルバトルで3体のみで勝つ事など不可能だ。
それも、ポケモンリーグや四天王、チャンピオンですら3体で勝利を収めるなど、化物としか言いようがない。
そしてチャンピオン戦の映像を見て、その思いが益々強まった。
同時に勝てない。そう思わされた。
屈辱だった。
今まで無敗を貫き、ポケモンバトルにおいて誰にも負ける事はないというプライドが粉々に粉砕された。
このままでは終われない。
記事の書いてある事が本当ならば、幸いにも憎き相手は現在シンオウ地方に居て、チャンピオンであるシロナに挑むつもりらしい。
ならば、どれだけ相手が強くとも負ける訳にはいかない。
恐怖はある。
負けるかもしれない相手と戦うのは初めての経験なのだ。当然怖い。
嫉妬もある。
シロナを差し置いて相手は歴代最強なんて言われているのだ。その看板を奪ってやりたい。
だが、そんな負の感情以上に胸中に渦巻くのは、それ程までに強い相手と戦える事に対する喜びだった。
相手はシロナが今まで戦ってきた中で、間違いなく最強の敵。
そんな相手に勝利すれば、間違いなくシロナは進化する。
今以上に強くなれる。そんな予感があった。
「この記事ですか。私は正直、チャンピオンと戦ってほしくないです」
チャンピオンシロナが負ける所なんて見たくないから。
スタッフは口には出さないが、胸中では不安に感じてる事がシロナには分かった。
ならば安心させてやろう。
「大丈夫よ。私は負けないわ」
そう言ってシロナは不敵に笑った。
────ー
「とうとう来たわね」
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