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手持ちのポケモンが何だかおかしい
2話 シンオウチャンピオン戦
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は圧倒的な種族値を誇り、そこから極悪な破壊を生み出すメガガブリアスの姿だった。
 メガガブリアスが放つ威圧で、場の空気が一瞬にして変わり、観客席は圧倒され静まり返る。
 観客に見ただけで圧倒的な強さを理解させてしまう程、シロナのガブリアスは極まった強さを持っていた。

 だがグレイは動じない。
 シロナはそれを当たり前のように受け入れた。
 何故なら目の前の相手がその程度で揺らぐような男ではない事など、等に理解しているからだ。

 そしてシロナが先に動く。


「ガブリアス、つるぎのまい!」
「ミロカロス、阻止しろ」


 先程までの情けない姿は微塵も感じられない。
 完全に立ち直っていた。
 シロナが、仲間がそして相棒が最強である事を証明する為に、目の前の壁を突破する。
 今のシロナは、その事だけに全神経を集中させていた。


「避けて、そのままつるぎのまい!」
「ミロカロス、りゅうのはどう」


 ミロカロスの技がガブリアスを襲う。


「耐えて、どくづき!」


 ガブリアスは耐える。
 グレイのミロカロス相手に何度も攻防は続けられない。
 全力の一撃を放つ必要がある。
 その事を理解しているガブリアスは、力を溜める事に集中する。


「れいとうビーム」
「っ、つるぎのまい!」


 弱点技がガブリアスを襲う。
 膝を折れそうになるのを精神力で何とか抑え、また力を溜める。


「ガブリアス、じしん!」


 限界まで積んだガブリアスのじしんが、ミロカロスに直撃した。
 ミロカロスの巨体が地に崩れ落ちる。


「ミロカロス、戦闘不能!」


 倒した。
 まだ1体、それでも倒した。
 今まで、誰一人として崩せなかった、難攻不落だった1つの城壁を落としたのだ。
 他でもない自身の相棒が。
 シロナはそれが誇らしくてどうしようもなく嬉しかった。

 今までのシロナとガブリアスなら倒せなかった。

 成長している。
 シロナは今この瞬間、とてつもなく大きな壁を前に急速に成長していっているのが分かった。


「ふっ」


 今まで表情一つ変えなかったグレイが笑った。
 まるで、子供の成長を見守る母親のように。


「あ」


 シロナは気づいた。
 グレイが意図的にシロナの成長を促していることに。
 このバトル全てがシロナを強くしようという意図が隠されていたことに。
 その為に、圧倒的な実力差を見せつけ蹂躙した。
 諦めかけたシロナに、相棒であるガブリアスの叫びに気づかせた。
 ここまでくれば嫌でも理解する。
 グレイはシロナを育てようとしている。

 何故グレイがシロナを成長させるのか。
 
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