2話 シンオウチャンピオン戦
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様を見て、シロナは打ちひしがれていた。
こんなにも実力差があるのか。こんなにも遠いのか。
シロナの残りの手持ちは相棒のガブリアスのみなのに対して、グレイの手持ちは未だ6体のままだ。
フィールドには、未だほぼ無傷のミロカロス。
たった1体のポケモンすら崩せない。
「本当に、化け物ね」
勝てない。
降参しよう。
シロナの心は完全に折れていた。
「諦めるのか」
折れていた筈だった。
当然だろう。
この状況で、ここからこの化け物に勝つことなんて不可能だ。
なのに、何故だろうか。
──ーやめて。そんな目で見ないで。
まだやれるだろ。お前はそんなものか?違うだろ。
グレイの目はそう訴えかけている。
違う。私は最強じゃなかった。
自惚れていただけだった。
そう言いたい。
今すぐここから逃げ出したい。
なのに、何故かそれが出来ない。
降参の言葉が出てこない。
「そうか、残念だ。だが、いいのか?」
「なにを」
「そいつはまだ諦めてないぞ」
「え?」
グレイの言葉の意味が分からなかった。
グレイの視線を辿って下を見ると、腰に掛けたモンスターボールが今にも飛び出しそうな程、暴れていた。
「あ」
諦めていないのが誰かわかった。
同時に、涙が溢れて止まらない。
「ごめんなさい」
私だけが戦っていた訳じゃなかったのに。
「皆ごめんなさいっ」
諦めてごめんなさい。
貴方達の頑張りを無に返すような事をしようとしてごめんなさい。
それでも、気づけた。
「まだ、私と戦ってくれる?」
相棒のモンスターボールが強く跳ねる。
ひんしになった筈の5個のボールまで、カタカタと弱く、それでも力強く動いた。
後で精一杯謝ろう。
謝って、謝って。
その後はこの仲間達と旅行でも行こう。
そして伝えよう。
ありがとうって。
もう、大丈夫。
「行きましょう」
まだ相棒がいる。
ここまで戦ってくれた仲間がいる。
ならシロナが諦めていい筈がない。
まだ諦める必要なんてない。
何故なら。
相棒が最強だ。
「天空に舞え!ガブリアス!」
「カブァァァッッ!!」
ガブリアスが吠える。
俺達はまだ負けてない。
俺が居る限り、シロナは負けない。
そう訴えるように、力強く吠える。
「ガブリアス、メガシンカ!」
「ガブァァッ!」
ガブリアスが変化する。
それ
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