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ドリトル先生と奇麗な薔薇達
第一幕その五

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「恋愛はいいよ」
「先生は無欲だね」
「無欲は美徳だけれど」
「けれどね」
「この場合の無欲はね」
「どうかってなるよ」
「そうなんだ、けれどね」
 それでもというのです。
「僕はもう充分過ぎる程幸せだから」
「これ以上は求めない」
「満足しているから」
「それでだね」
「いいのね」
「うん、恋愛なんてとは言わないけれど」
 それでもというのです。
「僕はね」
「別にいいんだね」
「それでこれからもだね」
「恋愛は求めない」
「縁がなくていい」
「そうなんだね」
「困ったことは一度もないしね」
 今学んでいる分野の本を読みつつ言うのでした。
「いいよ」
「そうなんだね」
「いや、そう言われてもね」
「先生はね」
「本当にそこが駄目なのに」
「わかってないから」
「何がわかっていないのかな、けれど本当に僕は恋愛と無縁だし」
 縁のないもので特にというのです。
「このままこうでもね」
「構わないんだね」
「先生としては」
「至って」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「本当にね」
「やれやれだよ」
「いつも思うことにしても」
「自分はもてるって自惚れてもどうかだけれど」
「最初から諦めるのもね」
「どうかよ」
「全く以て」
 皆はそんな先生に呆れるばかりです、ですが本当に気付かない先生でした。そして呆れるのは動物の皆だけでなく。
 王子もです、夕食に今住んでいる別荘に先生と皆それにトミーを招いてカレーライスを一緒に食べながら言いました。
「皆が言う通りだよ」
「僕は恋愛について問題があるのかな」
「物凄くね」
 こう言うのでした。
「もっと周り見ないと」
「いや、見てもだよ」
 先生はカレーを食べつつ言います、今日のカレーはビーフカレーです。
「本当にね」
「無縁なんだね」
「全くね」
「先生いつも言ってるよね」
 王子は先生に言いました。
「人は外見で判断したら駄目って」
「内面を見ないとね」
「だったらね」
 それならというのです。
「他の人もそう考えるよ」
「恋愛でもなんだ」
「顔だけって言葉あるよね」
「お顔はいいけれどだね」
「中身は全く駄目だって」
 その様にというのです。
「言われる人いるね」
「世の中にはね」
「こうした人はね」
 それこそというのです。
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