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ドリトル先生と奇麗な薔薇達
第一幕その二

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「着るものは普通でもいいです」
「ラフなもので」
「学生さん達も参加出来て」
「私服でいいのですね」
「ジーンズでもポロシャツでも」
「そうですか、僕はです」
 先生はご自身のファッションのお話もしました。
「いつもスーツなので」
「その時もですね」
「これで、です」
 スーツでというのです。
「参加させて頂きます」
「そうなのですね、私もです」
 日笠さんもご自身のお話をしました。
「今着ている様な」
「スーツ姿ですね」
「流石に生きものの世話をしている時の作業服ではです」
「参加出来ないですね」
「ラフな服装でよくとも」 
 そうであってもというのです。
「やはり作業服はお仕事の時の服で」
「パーティーの時はですね」
「スーツや制服や」
「外出の時の私服ですね」
「ですからジーンズでもいいですが」 
 それでもというのです。
「作業服ではです」
「参加出来ないですね」
「ですから今着ている様な」 
 紅茶を飲みつつお話しました。
「膝までのタイトスカートとスーツで」
「参加されますね」
「そうさせてもらいます」
「そうですか、ではその時に」
「宜しくお願いします。ですが」 
 日笠さんはティーセットにある苺と生クリームのケーキをお皿に取ってフォークで食べている先生に言いました。
「出来ればパーティーなので」
「だからですか」
「はい、ドレスも持っていますし」
 それでというのです。
「そちらを着られれば」
「着たかったのですか」
「先生もご一緒してくれるので」
「いやいや、僕のことはお構いなく」 
 先生は笑顔で答えました。
「ですから」
「それで、ですか」
「日笠さんが着られたいものをです」
「着ればいいですか」
「はい」
 そうだというのです。
「そうされて下さい」
「そうですか、あの」
 日笠さんは先生のお言葉を受けて少し残念そうに応えました。
「先生は私にどういった服を着て欲しいでしょうか」
「何でも着て下さい」
 先生はとても温厚な笑顔で答えました。
「日笠さんがお好きなものを」
「そうですか」
「はい、僕に気兼ねなく」 
 温厚な笑顔はそのままでした。そこには気遣いと優しさがありましたがそこに日笠さんが望むものはありませんでした。
「着て下さい」
「そうですか」
「はい、ですから」
 それでというのです。
「僕に気遣いは無用です」
「そうなのですね」
「そうです、僕は人にどうとか言う趣味はないので」
 こうも言う先生でした。
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