第二章
[8]前話
中に入るとだ、これがだった。
「何と」
「うむ、ここはこうした場所だ」
ベスの神官がハトホルに話した、その場の至るところに女神達の裸の像がありまた人々の淫靡な得や文章があった。
「そなたもああしたことで悩んで来たな」
「はい」
ハトホルは神官に正直に答えた。
「その通りです」
「それならな」
「ここで、ですか」
「像や絵や文章を見て」
そうしてというのだ。
「我等の話すことをだ」
「聞くのですね」
「そうした話をする」
神官はハトホルに微笑んで話した。
「そうすればな」
「あちらの方はですね」
「若い頃の様になる、ではな」
「これよりですね」
「見て読んで聞くのだ」
神官はハトホルに話した、そして実際にだった。
ハトホルはその中でそうしたものを目と耳でふんだんに味わった、そのうえで家に帰ると若い妾のところに飛んで行った。
そして数ヶ月後知人に話した。
「妾が妊娠したぞ」
「おお、そうなったか」
「女房もな」
彼女もというのだ。
「そうなったぞ」
「二人か」
「そうだ、ベスの部屋に行ってな」
知人が紹介したそちらにというのだ。
「そうしてだ」
「若い頃の様になったか」
「そうなった、それでだ」
「子供が二人も出来たか」
「そうなった、残る二人の妾ともな」
彼女達とのことも話した。
「最近はな」
「お盛んか」
「そうだ」
「それはまた何よりはな」
「いい場所だな」
ハトホルはにこにことして話した。
「本当に」
「それは何よりだ、実はわしもな」
知人も言ってきた。
「この前行ってきてな」
「それでか」
「元気になってな」
そうしてというのだ。
「遊んだ」
「そうだったか」
「うむ、やはりな」
知り合いはハトホルに話した。
「ああした場所があってな」
「ああしたものを見てああした話を聞くとな」
「元気になるな」
「何もなくてな」
それでとだ、ハトホルは言った。
「元気になれるのは若い頃だけだ」
「歳を取るとな」
「どうしても衰える」
「だからああした場所も必要だ」
「そうだな、ではまたな」
ハトホルは知り合いに微笑んで話した。
「元気になりたい時はな」
「行くか」
「そうするな」
こう言ってそうしてだった。
ハトホルも知り合いもベスの部屋に時々通う様にした、そうして元気になってそうしたことをしていった。エジプトの古い話である。
ベスの部屋 完
2024・3・12
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