第二章
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神々も人々も喜んだが今度は。
「何だあのファラオは」
「アメンホテプ四世というが」
「いきなりアテンという神を出したぞ」
「人間達にその神だけを崇めよと言い出した」
「我等への信仰を止めよと」
「そう言い出した」
「何だあのファラオは」
「我等をどうするつもりだ」
「一体」
「訳がわからないわ」
神々は人の世の急変にだった。
戸惑いそうしてどうすべきか考えた、だがアモンはここで言った。
「心配無用かと」
「この時代に」
「心配無用と」
「そうだと」
「そう」
まさにというのだ。
「この度は。我々はゆっくりと待ちましょう」
「何もしないのか」
「我々は」
「そうすればいいのか」
「そうです、何もせずです」
まさにというのだ。
「見ていましょう」
「だがこのままではだ」
「あのファラオは我々も知らない得体の知れない神を人に信仰させる」
「そうなるから問題だ」
「厄介なことよ」
「いえ、全くです」
アモンは動じないまま言った。
「まことにです」
「何もしなくていいのか」
「この度は」
「見ているだけで」
「そうです、我等の務めを果たしていきましょう」
神々がそれぞれ司るそれをというのだ、そしてアモン自身自分が司っているものに対する仕事をしていった。
神々は彼の言葉を大丈夫かと言いながら彼の言う通りにしていたが。
すぐにだ、アメンホテル四世イクナアトンと名乗った彼のその政策は。
「全く支持を得られていないな」
「神官達だけでなく普通の民達からも」
「訳のわからない聞いたこともない神を信じろと言われ」
「これまでの神を否定され」
「支持を失っている」
「信仰を強制されて」
「それに基づく政策を強制されて」
神々は人間界の動きを見て話した。
「これは破綻する」
「もうそれが目に見えている」
「最早な」
「そうなっているわね」
「そうです、こうなるとです」
アモンは自分以外の神々に落ち着いた声で述べた。
「もう終わりです」
「成程な」
「いきなり見たことも聞いたこともない神の信仰を強制され」
「自分達の信仰を否定されると」
「人は従わないか」
「支持しないか」
「左様です、これで我々への信仰は戻ります」
アモンは落ち着いた声で応えた、そして人間界ではアメンホテプ四世の政策は失敗し神々への信仰が復活した。
それを見てだ、ラーはアモンに言った。
「これもそなたの知恵だな」
「そう言って頂きますか」
「目立たず喋らずだが」
それでもというのだ。
「よく学びよく見ている、だからな」
「そうであるからですか」
「この度の顛末もわかり我等に動かぬ様に言ったな」
神々の主の座からアモンに言った。
「見事だ、その
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