第一章
[2]次話
競り合って勝ったことは
今根室千佳は自分のクラスでにこにことしていた、そしてクラスメイト達にその笑顔で語っていた。
「いい感じよね」
「ああ、カープ勝ったわね」
「首位のままよね」
「それで機嫌いいのね」
「そうなのね」
「そうよ、いやサヨナラ勝ちで」
それでというのだ。
「最高よ」
「千佳ちゃん的にはね」
「そうよね」
「千佳ちゃんカープ命だし」
「それでよね」
「そう、このままいったら」
まさにというのだ。
「優勝出来るわね」
「いや、ちょっとね」
「巨人よりいいけれど」
「私達阪神ファンだから」
「それはね」
「そのことは悪いけれど」
千佳はそれでもと返した。
「ここ五年優勝から遠ざかっていて」
「日本一からもよね」
「随分離れてるから」
「それでよね」
「今年こそなのよ」
千佳は切実な顔になって言った。
「優勝、日本一にね」
「なりたいのね」
「そうなのね」
「カープとしては」
「パリーグ見たら」
今度は真剣な顔で話した。
「ソフトバンク圧倒的だし交流戦でもね」
「ああ、三タテね」
「それ受けたわね」
「ソフトバンク強かったわね」
「あそこが優勝するかも知れないけれど」
それでもというのだ。
「クライマックスで勝ったら」
「ソフトバンクが」
「そうしたらなの」
「その時はなのね」
「正面からぶつかってね」
そうしてというのだ。
「絶対によ」
「勝つのね」
「そうするのね」
「そのソフトバンクに」
「交流戦、二〇一八年のシリーズのリベンジよ」
それを果たすというのだ。
「絶対にね」
「ああ、交流戦だけじゃないからね」
「カープあのシリーズでも負けたしね」
「あの時もソフトバンク強かったわね」
「それもかなり」
「しかもあの時の監督の工藤さんは」
工藤公康、彼はというのだ。
「西武でエースだったし」
「そうそう、凄いサウスポーだったのよね」
「それでカープ西武にもシリーズで負けてるのよね」
「それも二回も」
「一九八六年と一九九一年にね」
「工藤さんの前の監督の秋山さんもね」
秋山幸二もというのだ。
「西武だしね」
「ソフトバンクって元々南海よね」
「大阪にあったのよね」
「けれど親会社がダイエーになって九州に行って」
「今ソフトバンクよね」
「南海の流れなのに」
それでもと言う千佳だった。
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