第六章
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「こうって言い間違えられることはあっても」
「それでもなのね」
「殆ど間違えられないし」
「名前でこうはないしね」
「まずね、それでね」
それでというのだ。
「困ってないわ」
「日本でも」
「キラキラネーム扱いもされないし」
「尚更いいのね」
「そうよ」
「それ言ったら私の名前は」
ここで楓子はこう言った。
「ほぼ間違えられないわ」
「ふうこちゃんってね」
「皆言うわね」
「かぜことはね」
楓子はくすりと笑って話した。
「読まないわね」
「まあね」
「普通はないわね」
「だからね」
そうであるからだというのだ。
「名前の読み方で困ったことはないわ」
「楓子ちゃんもなのね」
「そうなのね」
「自分でね。ただ森鴎外さんが父親なら」
そうであったならとだ、楓子は二人に若しそうであった場合を想像してそのうえで言ったのだった。
「絶対に変な名前だったわね」
「キラキラネームね」
「それだったわね」
「色々最低要素の多い人だけれど」
それでもというのだ。
「名前もだしね」
「つくづく最低ねあの人」
「嫌われていたでしょうね」
「そうみたい、調べたらね」
楓子は二人に実際にと話した。
「嫌われていたみたい」
「私そのお話は知らなかったけれど」
「まあそうでしょうね」
「兎に角問題点が多くて」
そうであってというのだ。
「その結果ね」
「でしょうね」
「それも当然ね」
「文豪だから立派とは限らないけれど」
作品と人格は別ということだ。
「お話聞いて調べて一気に冷めたわ」
「森鴎外さんについて」
「そうなったのね」
「それで芥川さん調べてるけれど」
今はというのだ。
「この人も色々あるわ」
「物凄い頭よかったのよね」
ヒカリがこう言ってきた。
「東大入って」
「成績優秀だから無試験で入ってね」
「入学試験受けるまでもないってこと?」
「どうもね、それで英語も漢文もすらすら読めて」
そうであってというのだ。
「教養凄かったのよ」
「だからあれだけの作品書けたのね」
「ええ、けれどお母さんがおかしくなっていて」
「自分もそうなるかって思ってたのよね」
アスカはこう続けた。
「そうよね」
「ええ、それで色々作品で悩んで」
そうしてとだ、楓子はさらに話した。
「不倫とかあったみたいで」
「もてたのよね」
「イケメンだったからね、頭もよくて」
それ故にというのだ。
「そうしたお話もあってそれで結核になってたそうだし」
「えっ、芥川結核だったの」
ヒカリはその話に目を瞬かせて応えた。
「そうだったの」
「そうみたいよ、坂口安吾が言うには梅毒にもなってたそうだし」
「どっちも当時は死ぬ病気だったわね」
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