第二章
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「厄介な相手がいるのよ」
「全く、セリーグ相手には今年も調子がいいのに」
「交流戦はね」
「阪神毎年弱いから」
「カープもよ、やらないで欲しいとは言わないけれど」
それでもというのだった。
「けれどね」
「勝って欲しいね」
「全くよ、西武も必死に戦うでしょうし」
「楽天はどうかな」
「さあ。あそこは特にね」
兄に何でもないといった顔で述べた。
「ペナント予想は大抵の人が最下位だったし」
「そのうち落ちるかな」
「西武確かにかなり危ないけれど」
「調子戻るかな」
「投手陣いいし。けれど楽天は」
このチームはというと。
「ごたごたあったし他のチームより戦力ないし」
「交流戦でも大丈夫かな」
「そうでしょ、それにね」
千佳は寿に言った。
「阪神楽天と甲子園で試合するでしょ」
「本拠地でね」
「勝てるでしょ、楽天はね」
このチームはというのだ。
「別にね」
「問題ないかな」
「今年のパリーグで一番ね」
「勝てる相手かな」
「そうでしょ、問題はね」
「ざっとあげた四つのチームかな」
「そうでしょ、しかし本当にどうにかならないかしら」
千佳はぼやいて言った。
「カープの交流戦の弱さは」
「それ言うと阪神もだよ」
「交流戦強くなりたいわ」
「一勝でも多く勝ちたいよ」
兄妹揃ってぼやいていた、そうして交流戦がはじまったが寿はものの見事に地獄に叩き落されてしまった。
「・・・・・・何でかな」
「・・・・・・何これ」
兄も妹も言った。
「阪神何やってるのよ」
「ロッテに二試合サヨナラ負けか」
「しかもね」
千佳も呆れて言った。
「楽天に九回逆転二回って」
「あと一人でだよ」
「幾ら何でも酷過ぎるでしょ」
「去年もあったよ」
寿は落ち込んで言った。
「あと一球で」
「甲子園で打たれたわね」
「そして今年は」
今年の交流戦はというのだ。
「サヨナラ二回に」
「土壇場の逆転二回ね」
「気付けば負け越してるよ」
「カープも三タテだし」
「頑張って欲しいな、阪神」
「カープもね、いや本当にね」
まさにというのだった。
「交流戦は」
「駄目だな」
「お互いね」
「どっちが酷いかな」
兄は妹に問うた。
「一体」
「それは最後までわからないけれど」
交流戦が終わるまでというのだ。
「いや、本当にね」
「前半だけで酷いな」
「やっぱり交流戦はね」
「お互い苦手だな」
「だから私嫌いよ」
「僕もだよ」
兄妹の意見は一致していた。
「そのこと自体はいいけれど」
「普段とは違う相手と試合出来て」
「ペナントにメリハリも出来るし」
「いいけれど」
それでもというのだ。
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