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交流戦は嫌いな兄妹
第一章

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               交流戦は嫌いな兄妹
 根室家では今兄で中学三年生の寿も妹で小学三年生の千佳も憮然としていた、そして二人で話していた。
「巨人が優勝しなかったいいな」
「そうよね」
「そして阪神が負け越さなかったらな」
「広島もね」
「何で勝てないのかな」
 兄は憮然とした顔のまま言った。
「阪神交流戦は」
「それカープもよ、二十年やってね」
「お互い優勝したことなかったね」
「パリーグが異常に強いのよ」
「ええと、マークすべきチームは」 
 兄は妹に言った。
「何処かな」
「お互いまずあそこでしょ」
 妹も憮然とした顔のまま返した。
「また優勝目指すとか言ってる」
「ソフトバンクだね」
「今年これまで圧倒的に強いし」
「ペナント凄いね」
「だからまずは」  
 何と言ってもというのだ。
「あそこよ」
「いきなり強いところだね」
「それとロッテでしょ」
「あまり聞きたくない名前だよ」
 兄はロッテと聞いてさらに不機嫌になった。
「シリーズのこともあるし」
「三十三対四ね」
「うん、忘れたくても忘れられないよ」
「あれは凄かったわね、しかも最近までロッテも煽ってきたし」
「交流戦のポスターでね」
「だから嫌なのね」
「あそこもね、ソフトバンクは純粋に強くて」
 またこのチームの話をした。
「的確な采配で正面から叩き潰そうとして来るね」
「全力でね」
「それも嫌だけれど」
 それと共にというのだ。
「ロッテもね」
「隙を見せたらそこから一気に攻めて来るわよ、あそこ」
「そうだね、あそこも厄介だね」
「オリックスもでしょ、先発二人抜けても」
「まだ戦力あるね」
「あそこも采配いいから」
 このこともあってというのだ。
「強いわよ」
「そういえば阪神も交流戦よくやられてるよ」
「カープもよ、しかし私一番気になるのは」
 千佳は週刊ベースボールマガジンよを読みつつ寿に言った。
「日本ハムね」
「あそこ急に強くなったね」
「最下位とか五位とか言われていたのが」
 シーズン前の順位予想ではだ。
「それがよ」
「二位だからね、今」
「強いわよ、冗談抜きでね」
「監督、新庄さん何するかわからないし」
「一見突拍子のないこと言ってやるけれど」
「実は全部理に適ってるよ」
 兄も言うことだった。
「元々阪神の人だし注目してるけれど」
「凄いわね、あの人」
「選手を見抜いて育てるのも凄いし」
「本物ね、あの人」
「うん、その日本ハムもあるし」
「ざっと四つもよ」
 千佳は極めて嫌そうに述べた。
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