第一部
三月の戦闘 V
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来る訳がないじゃないか!他のカンピオーネとも戦ってみたいんだ!」
元気よくそう言い放った彼は、背負っていたゴルフバックのような物から剣を取り出した。
「悪いけど、これだけはどうしても譲れないんだ。昨日翔希と戦って火が付いちゃってね!せめてもう一戦!それくらいはしないと、帰る気にはならないな!」
邪魔するなら押し通る!と叫ばれ、顔面蒼白になるアンドレア。彼は悟ったのだ。
(この馬鹿本気だー!!)
こうなった彼は誰にも止められない。それこそ、同じカンピオーネか、神々くらいしか彼を止めることなど出来はしない。
「・・・仕方がない・・・・・・。この手だけは使いたくなかったのだが・・・!」
彼は悲痛な表情で、空に向けて叫んだ。
「お願いいたします!死なない程度にボコボコにしてください!」
「は〜い!毎度有り〜!」
その時、どこからか女性の声が響いた。
「これは・・・!?」
アンドレア達とドニの中間あたりの空間が歪む。次の瞬間、そこにはメイドが立っていた。
「・・・え、メイド?」
流石のドニも、この状況についていけていないのか、ポカンとその女性を見ている。
どこの世界に、深夜だというのに高級そうなサングラスをかけ、M16を首から下げながら、超高等魔術である空間転移をしてくるメイドがいるというのか?かなりの美少女、または美女に見えるのだが、そのファッションセンスと、ニヤニヤと軽薄に笑う顔がその美貌を台無しにしている。
「私は、この国のカンピオーネの一人、【聖魔王】名護屋河鈴蘭!貴方を倒して、報酬を頂く!」
そう言いながら彼女は、指をパチンと鳴らす。その瞬間・・・
「グッ・・・!?」
非常に不快な感覚が、その場にいた全員を襲った。バチン!と何かが弾けるような音と共に、周囲の景色が歪み・・・次の瞬間、世界は静寂に包まれた。街中であったため、少なからず存在した筈の一般人。犬や猫などの動物。それら全てが消え去り、今この世界に存在するのは彼らと無機物のみ。
「・・・は?」
それは、誰の言葉だったのだろうか?あまりにも彼らの常識から外れたこの現象は、彼らの言葉をなくすのには十分すぎた。
「隔離世。私たちはこう呼んでいる世界。貴方たちの言葉ではアストラル界って言うんだっけ?流石に、御老公とやらが居る領域まで潜るのは貴方たちに負担が大きいから、この浅い階層で戦おうね。」
「何だ・・・ソレは。」
アンドレアは、思わず呟いていた。
(それでは・・・それではまるで、アストラル界に階層があるような言い方ではないか・・・!)
そんな話は今まで聞いたことがない。そもそも
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