第二章
[8]前話
「だからね」
「安心してはいればいいわね」
「そうだよ」
こうした話をした、そして店に入るとだった。
板前にだ、彼女は怪訝そうに尋ねた。
「白ワイン頼んでもいいですね」
「いいよ、品書きにあるだろ」
初老の昔ながらという感じの板前は笑って応えた。
「品書きにあったら何を注文してもいいよ」
「そうですか」
「だからな」
それでというのだ。
「酒はな」
「白ワインでもいいですか」
「要はマナーを守ることだよ」
そうだというのだ。
「お互いな」
「お客も板前さんも」
「人としてな、それでな」
「私もですか」
「マナーを守ってくれたらな」
「白ワイン頼んでもいいですか」
「品書きにあるのに注文するなはおかしいだろ」
こう彼に言うのだった。
「そうだろ」
「それじゃあ」
「ああ、それで最初は何を注文するんだい？」
「白ワインと」
この酒と、とだ。脇坂は答えた。
「こはだお願いします」
「僕は大吟醸といくらを」
竹中も注文した。
「最初はその二つを」
「ああ、じゃあ握らせてもらうな」
「お願いします」
笑顔で話してだった。
脇坂は竹中と共に寿司を楽しんだ、そして飲む酒は白ワインだったがこちらも楽しんだ。そして同棲しているマンションに帰って言った。
「お寿司もワインも美味しかったし」
「いいお店だったね」
「ええ、だからまた機会があったら」
「行こうね」
「お寿司屋さんだからそうは行けないけれど」
高いからだ、ＯＬとサラリーマンではやはり難しい。
「それでもね」
「お金が出来たらね」
「また行きましょう」
「美味しいし雰囲気がいいから」
「そうしましょう」
白ワインで酔った赤い顔で応えた、そうしてだった。
二人で寿司のことも話した、そちらも実に楽しい話になった。ワインも寿司もその組み合わせも最高だというのが彼女の言葉だった。
寿司には日本酒か白ワインか 完
２０２４・６・２３
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ﾍﾟｰｼﾞ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿ｻｲﾄ〜
利用規約/ﾌﾟﾗｲﾊﾞｼｰﾎﾟﾘｼｰ
利用ﾏﾆｭｱﾙ/ﾍﾙﾌﾟ/ｶﾞｲﾄﾞﾗｲﾝ
お問い合わせ
2024 肥前のﾎﾟﾁ
しおりを解除