第二章
[8]前話
「フランス語読みだよな」
「フランスの犬だからな」
父はだからだと答えた。
「そうなるな」
「そうだよな」
「それでな」
父はさらに言った。
「ふわりの家族のことが書かれてるな」
「お父さんお母さんに兄弟姉妹がな」
「こうしてみるとな」
「ふわりのことがよくわかるな」
「ああ、それでふわりは」
当の彼女はというと。血統書にまさにふわり自身がとマークがあるが。
「メアリーってなってるな」
「そうだな」
「ふわりの本名か」
「血統書の名前はそうだな」
「そうなってるんだな」
「いや、本当にな」
まさにというのだ。
「ふわりはな」
「そうした名前なんだな」
「ああ、それでな」
そのうえでというのだ。
「苗字はブルボンか」
「まさにフランスって名前だな」
「そうだな、元々の故郷がフランスだからな」
「血統書の名前はフランスなんだな」
「やっぱりな、しかしな」
それでもとだ、文太は言った。
「俺達の間じゃな」
「家族としてはか」
「ふわりでいいだろ」
この名前でというのだ。
「もうな」
「そうだよな、ふわりはふわりだよな」
洋介も確かにと頷いた。
「そうだよな」
「ああ、だからな」
「それでだよな」
「もうな」
「それでいいな」
「ふわりはな」
こう話した、そしてだった。
ふわりを見た、ふわりは二人が話しているのをちょこんと座ってその傍で聞いていたが二人の話が終わるとにこりと笑う感じで言った。
「ワンッ」
「ふわりでいいんだな、名前」
「そう言っている感じだな」
洋介も文太もそう思った、そしてふわりにこう言った。
「じゃあふわりミルクやるな」
「ミルク飲むよなふわり」
「ワンワン」
ふわりと呼ばれて鳴いて応えた、そしてそのミルクを気持ちよさそうに飲んだ。そうしたのであった。
生まれ故郷はフランス 完
2024・6・22
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