第一章
[2]次話
逸材獲得
この時中日ドラゴンズのファン達は苦い顔でいた。
「野口フリーエージェントか」
「引き止められなかったな」
「それで行くのは巨人か」
「よりによってあのチームか」
「全く、巨人は他のチームから選手掠め取ってばかりだな」
「それでまた優勝か？」
名古屋を中心にこうした声が出ていた、先発投手の柱の一人がよりによって邪悪の権化巨人に行くことに苦い顔になっていた。
「どうしたものだよ」
「この戦力ダウン大きいぞ」
「しかも巨人の戦力アップだ」
「来シーズンは辛いな」
「間違いなくな」
「攻めて補償の選手でいい選手欲しいな」
ここでこうした言葉が出た。
「巨人から誰を貰えるかだな」
「あの自分達以外にはケチ臭い巨人からな」
「どうせプロテクトされない選手は碌なものじゃないだろ」
「巨人は控え選手悪いしな」
「いい選手それで来るか」
「来ないだろうな」
こうした声が出ていた、そしてだった。
中日は補償選手の獲得調査に入った、そこで監督である落合博満はある選手がプロテクトから外れていることを確認して笑顔で言った。
「おい、本当にこいつ外れてるのか」
「はい、間違いないですね」
「外れていますね」
「そうなってますね」
「信じられないな」
落合は球場のスタッフ達に話した。
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