第二章
[8]前話
老夫婦はその場を後にした、そうして家に戻ったが。
後日だ、夫は妻に言った。
「何か歩きスマホを注意して殴られる人、そこから口論になって注意した人を殴る人とな」「
「いるのね」
「中には歩きスマホをしている人に嫌がらせしたりな」
「本末転倒ね」
「そうなるとな、しかし注意するにもな」
「迂闊には出来ないわね」
「昔だって歩き煙草を注意して」
夫はここでも昭和によくあったことを話した。
「騒動になったりな」
「したわね」
「人のそうしたところは変わらないな」
「下手に注意してトラブルになることは」
「それはな、悪いことと思ってもな」
「迂闊に注意したらいけないわね」
「そこから揉めたりな」
トラブルになったりしてというのだ。
「下手すれば嫌がらせなんてな」
「本末転倒になるから」
「だからな」
それでというのだ。
「迂闊にはしないことだな、ただ危ない時はな」
「することね」
「そこは臨機応変だな、臨機応変にしないとな」
「何でも駄目だからね」
「世の中はな」
「そうね、それであなたそうしたお話何処で知ったの?」
「これだよ」
夫は妻に自分のスマホを出して笑顔で見せて答えた。
「これを見てな」
「知ったのね」
「そうだ、しかしちゃんと家で観たからな」
「歩いてじゃないわね」
「家それにバスや電車の中で観てるよ」
妻に微笑んで話した。
「わしはな」
「ならいいわね」
「理想は皆歩きスマホをしない」
「それがマナーよね」
「エチケットだな、けれど誰もはそうするか」
「どうしてもしない人もいるし」
「だからな」
それでというのだ。
「そこは迂闊に注意しない」
「けれど危ない時は注意する」
「その辺りは見極めてな」
「やっていくことね」
「それが世の中だよ、しかし歩きスマホは歩き煙草と比べたら
「ずっとましね」
「今思うとそうだよ」
こうした話をしたのだった、そしてだった。
夫婦で今度は世間話をした、それは何でもないものだった。だが」
自転車に乗りつつ右手にスマートフォン左手にアイスクリーム耳にはヘッドフォンで音楽を聴いていて交通事故を起こした話を聞いた時は流石に呆れた。
「幾ら何でもな」
「これはないわね」
こう言うのだった、その話については。
歩きスマホは悪いけれど 完
2024・6・18
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