第二章
[8]前話
「酷いっていう」
「だからね」
「そこはか」
「人それぞれで」
そうであってというのだ。
「嘘書いたりする人もいるけれど」
「そうだよな」
「お父さんはよ」
彼はというのだ。
「別にね」
「悪いジャーナリストじゃないか」
「何なら記事見ればいいわ」
本人のそれをというのだ。
「そうしたらわかるから」
「実際はどうか」
「あんたも贔屓のチームのことならわかるでしょ」
「球団のファンクラブに入ってるし雑誌も買ってるよ」
ただし巨人ではない、一家全員アンチであり口には出さないが父もである。
「そうしてるよ」
「それならわかるわね」
「それじゃあな」
母の言葉に頷いてだった。
「ジャーナリスト、マスコミっていってもか」
「それぞれだって頭に入れてね」
そうしてというのだ。
「見て言ってね」
「親父もか」
「そうよ」
父もというのだ。
「ちゃんと取材して公正に書いているならね」
「いいか」
「その人よ」
問題はというのだ。
「確かに碌でもない人が多い業界だけれどね」
「ヤクザ屋さんと変わらなくてもか」
「それでも表の世界ではあって」
そうであってというのだ。
「ましてお父さんはスポーツ関連でしょ」
「スポーツジャーナリストって言ってるな」
「スポーツはましなところはましだから」
メディアでもというのだ。
「タブロイドとか酷い人がいてもね」
「親父は違うか」
「そうよ、だから嫌うことも恥に思うこともないわ」
「マスコミの人間でもか」
「そう、安心してね」
「わかったよ」
明は母の言葉に笑顔で頷いた、そうしてだった。
以後父について嫌なものを感じることはなくなった、そして彼の取材の結果を見ていつもいいと思った。そして自然と笑顔になったのだった。
正しいジャーナリスト 完
2024・6・17
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