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アーチャー”が”憑依
二十一話
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ことを決意した。











 麻帆良内にある教会。そこで、一人の男が祈りを捧げていた。年は恐らく三十後半。煤けた茶色の髪に濁った灰色の瞳を持つ男だ。

「相変わらず熱心ですね」

 その男に背後から声をかける人物がいた。褐色の肌をシスター服で覆った女性。麻帆良に所属する魔法先生の一人、シスター・シャークティだ。

「いえ、私などまだまだです」

「ご謙遜を。貴方がここで一番の徒であると皆が知っていますよ」

 私の弟子も見習ってくれれば、とシャークティが続けて漏らす。男も悪戯ばかりしている少女を知っているために、若干の憐みの込められた視線でシャークティを見やる。

「それにしても、今日は何だか嬉しそうですね。何かいいことでも?」

「ええ。ようやくですが、私の望みが叶いそうなのですよ」

 普段無表情で過ごすこの男が僅かに醸し出す喜の気配を感じ取ったシャークティ。それを問われた男は今度こそ完全な笑みを浮かべてそう答えた。

「そうなのですか。貴方の望み……確か、誰かの願いを叶える手助けがしたい、でしたね」

「ええ。今まではどうすればいいのか分かりませんでしたが、先日ようやく思いつきました」

「それはよかった。貴方の願いは素晴らしいものです。どうか頑張って下さいね」



 ――――言峰神父。
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