第一章
[2]次話
車椅子でもめげない
両足を交通事故で複雑骨折した、その為高橋斉彬は暫くの間車椅子生活となった。
「全治してまた歩ける様になるからな」
「暫くは我慢してね」
両親の誠と言葉にこう言われた。
「リハビリもするけれど」
「走れる様になるよ」
「うん、わかったよ」
小学五年の彼は両親の言葉に頷いた、背は一五〇程で面長で優しい目をしている。黒髪は短く痩せている。
「我慢するよ、ただね」
「ただ?」
「どうしたの?」
「うん、車椅子でも何もしないとかね」
今の状態でもとだ、車椅子に座った状態で言うのだった。
「よくないよね」
「いや、車椅子だとな」
「あまり動けないから」
両親はそれでと答えた、父親の顔は息子そっくりだ。
「だからね」
「無理しなくていいぞ」
「いや、辛い時こそ頑張れってね」
斉彬はそれでもと言った。
「言われたことあるし。学校の先生に」
「それでか」
「今もなの」
「怪我が悪化したら駄目でも」
それでもというのだ。
「やっていくよ」
「お前バトミントンをしているが」
「やるのね」
「今は手だけしか動かせなくてもね」
「そこまで言うならな」
「けれど無理はしないでね」
両親はそれならと頷いた、そうして息子の考えを受け入れてだった。
彼の行動を見守った、するとだった。
斉彬は車椅子のままでバトミントンのラケットを持って振ってだった。
毎日汗をかいた、退院しても続けてだった。
車椅子のままで練習をした、小学四年で妹の明来大きな目で茶色の短い髪の毛で大きな口で小柄な母親そっくりの彼女はそんな兄を見て言った。
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