第95話 幸せな夢の中で
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は驚いたように目を見開いた。
「ならどうして目を覚まそうとするの?ここにいれば私とずっと一緒にいられるのよ?私の事が嫌いになってしまったの?」
「今でも母上の事は愛しています、でもこれはまやかしなんです。いつまでもここにはいられない」
私は母上の顔をしっかりと見て目を逸らさずに思いを伝えた。
「母上、私は生きます。一緒に生きていきたいと思う愛する人と最愛の友人が出来たんです……だからさよならを言わないといけません」
「……ふふっ」
私の言葉を聞いた母上は優しい笑みを浮かべて私を抱きしめた。
「母上?」
「ラウラ、確かに私は貴方の記憶から生み出された幻でしかない。でも貴方を想うこの気持ちは本物に負けていないと思ってるわ。だから貴方が自分で決断して歩もうとしているのがたまらなく嬉しいの。強い女性に成長したのね、ラウラ」
「母上……」
私は思わず泣きだしてしまいそうになった。確かにこの母上は偽物だ、でもこの温もりはかつての母上と同じ暖かさだった。
『逃がさない……逃がさない……』
だがそこに先程母上が倒した猟兵達がまるでゾンビのように腐った体になって起き上がってきた。
「ラウラ、剣を握りなさい。戦うわよ?」
「はい、母上!」
私は母上と背中を並べて猟兵達と戦いを開始した。
(幻とはいえ母上と共にならんで戦えるとは……!)
母上と一緒に戦えることを喜ぶ私、幻でもこうして一緒に戦えることが嬉しくてしかたがないんだ!
もう守られるだけの小さな子供ではない!私はそう気合を入れて猟兵達を薙ぎ払っていく。
『グガァァァァッ!!』
そこにひときわ大きな体を持った猟兵が立ちはだかった。肩に銃弾の痕があるのを見て私は先程フィーの双剣銃に撃ち抜かれた奴だと理解した。
「つまりそなたはあの時母上を撃ち殺した猟兵か。今度はそうはさせないぞ!」
振りかぶってきた拳を回避した私は大きく跳躍して頭に剣を叩きつけた。
「鉄砕刃!」
グラついた猟兵の体に母上が背後から攻め立てる。
「連撃槍!」
バランスを崩して倒れる猟兵、その隙に私と母上は剣と槍を振りかざした。
「蒼裂斬!」
「月光斬!」
青い斬撃と赤い斬撃が混じり合いより強力な一撃となって猟兵を飲み込む吹き飛ばした。だが猟兵はそれでも立ち上がろうとする。
「ラウラ、最後の一撃よ。息を合わせなさい!」
「はい、母上!」
私と母上は同時に駆け出して共に武器を叩きつけた。
『はあァァァァァァッ!!』
『グガァァァァッ!?』
そして私達の攻撃を
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