第95話 幸せな夢の中で
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現れて一撃を浴びせた。
「そんな手は使わせないわ」
「うっ……」
まるで読んでいたと言わんばかりに見事な対策、流石母上だ!
(でもどうしても嫌な予感が頭をよぎってしまう……どうしてだ、どうしてこんなにも胸が裂かれるくらいに私は恐ろしさを感じているんだ?)
猟兵達は皆母上が倒した、なのに私は言いようの無い恐怖を感じていた。
そして母上が猟兵達を全て無力化して私の口から猿轡を取ってくれた。
「ラウラ、大丈夫?今縄を解くわね」
「母上、申し訳ありません……」
「貴方は何も悪くないわ。さあ帰りましょう」
「はい!」
母上が私の両手を縛る縄を解こうとする、だが私は見てしまった。母上の後ろで倒れていた猟兵が銃をこちらに付きつけるのを……
「母上!後ろです!」
「もう遅い!せめてお前達だけでも死んでもらうぞ……!」
私は叫ぶが既に遅かった、猟兵の指は既に引き金に置かれていて直に撃てる状態だった。
母上は自分の体を盾にして私を守ろうとした、そして猟兵の銃から複数の弾丸が放たれた。
(嫌だ!このままでは母上が死んでしまう!誰か……誰か助けて……!)
私は何故か母上が死んでいくリアルな光景を思い浮かべてしまった。だが無力な自分では何もできない、誰もいるはずもないのに助けを求めてしまう。
だがその時だった、どこからともなく出現した太刀が銃弾を斬り裂いたのだ。
「えっ……?」
「なんだ!?……ぐあっ!」
そして今度は双剣銃が現れて猟兵の両肩を撃ち抜いた。二つの武器はまるで意思を持っているかのように私の前に飛んできて地面に刺さる。
私は惹かれるように太刀と双拳銃を触った、すると私の頭の中に様々な記憶が浮かび上がってきたんだ。
魔獣に襲われていた所をリ〇ンに助けられた事、初めて年の近い友人が出来た事、彼らに裏切られたと思い傷ついたこと、お互いを理解し合い絆を深めた事……
そして共に生きる事を誓い3人で愛を育んだことも思い出した。
『ラウラ、ずっと一緒にいよう。俺は君が大好きだ』
『わたしだってリィンと同じくらいラウラが好き。最高の親友だと思ってるから』
「リィン……フィー……」
どうして私は忘れていたのだろう、大切な二人の名前を……
「……私には帰る場所がある、大切な二人が待っている」
気が付けば私の体は元の成長した体に戻っていた。そしてその手には大剣が握られていた。
「ラウラ?貴方、その姿は……」
「母上……いえ貴方は本当の母上では無いのですよね」
「……気が付いたの?」
「はい」
私の言葉に母上
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