第95話 幸せな夢の中で
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顔は思い浮かばないのに凄く安心する優しい声だと思った。でも結局それが誰なのか分からなかった。
それからまたしばらくして今度は父上と共に貴族の集まりがあったのでヘイムダルへと向かった。そしてその道中で武装した集団とすれ違った。
父上からあれは猟兵団と聞いて顔をしかめた。猟兵はミラさえ貰えばどんな卑劣な仕事もするという戦場の死神だと聞いていた。
弱きものを守るために剣術を磨く私からすれば理解できない人達だった。
父上は職業で人を測ってはいけないと言われたが内心納得できなかった。
でも猟兵の一人が腰に差していた双剣銃を見てまた何か声が頭に響いた。
『ラウラはわたしにとって初めての友達、だからどんなことでも一緒に体験したい』
『ラウラの膝枕もあったかくて好き……』
『ラウラ、一緒にリ〇ンを支えて行こうね。わたし達なら出来るよ』
それは前に聞いた声とまた違う声だった、でもその声は同じくらい優しく暖かいものを感じた。
でも結局それが誰なのか分からなくて心にモヤを残していった。
(私は今凄く幸せで充実した生活を送れている、それでいいはずなのにどうして満足できないんだ?)
そんな考えをしながらも毎日を過ごしていた私、だがある日父上や門下生が屋敷を留守にしていた隙を突かれて私は何者かに誘拐されてしまった。
「ん〜っ!」
「騒ぐな、大人しくしていれば危害は加えない」
猿轡をされて両手を縛られた私を銃を突きつけてそう脅す男、奴らは猟兵で父上を殺す為に私を人質にしたらしい。
(早く何とかしないと母上が死んでしまう!……あれ?私は何故母上が死ぬと思ったんだ?)
猟兵達が狙っているのは父上のはずだ、なのに私は真っ先に母上の事を思い浮かべてしまった。それになにかデジャヴを感じてしまう。
「ラウラ!無事なの!?待っていて、直ぐに助けるから!」
(母上!?)
そこに槍を手に持った母上が姿を現せた、そして私を見て安堵の表情を浮かべて直に近くにいた猟兵達に鋭い視線を向ける。
「私の可愛いラウラを今すぐ離しなさい!さもなくばその命散ると知れ!」
「チッ、母親の方か……構わん、殺せ!」
そして母上は猟兵達と戦闘に入った。
母上は素晴らしい槍さばきで猟兵達を蹴散らしていく、まるで伝説のリアンヌ様を彷彿とさせる美しい舞のような動きに私は目を奪われていく。
「クソッ、この女強いぞ!ヴィクターや門下生共がいない隙をねらったっていうのにこれでは俺達の方が全滅してしまう!」
「こうなれば娘を人質にして……がっ!?」
私を人質にしようとした猟兵の頭上から母上の分け身が
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