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黒い親友が白魔術を学び始めて俺を痛めつけようとしている
2.次の日の放課後
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「竹岡。今日も魔術の勉強か?」

 日高は竹岡の隣の席に横向きで座ると、背もたれに左肘を掛け、声をかけた。

「そうだよ」
「お前、大丈夫なのか」
「大丈夫ってのは?」
「魔術なんてオカルトだろ」
「そういう意味なら大丈夫。僕が勉強しているのはちゃんとした、オカルトじゃない魔術だから」
「百歩譲ってそうだとしよう。いきなり始めた理由はなんだ?」
「んー、最近やってたコレ(・・)だと、もうキミがあまり痛がらなくなってるからね」

 竹岡が笑顔でそう言って、立ち上がる。
 後ろに回った彼は、日高の右腕を取った。背中側に腕を引っ張り、捻り上げる。
 日高の学ランとワイシャツの袖がややずり上がり、竹岡のように日焼けはしていないものの、骨太でたくましい手首があらわになった。

「普通に痛い。それに、意味がわからないぞ」

 アームロックを()められた日高はそう訴えたが、竹岡は日高の顔をのぞき込むと、不満をあらわにした。

「普通じゃダメなんだ。物足りなくなってきたんだよね。表情も声もイマイチ。剣道部に練習に行く前のストレッチくらいにしかなってないんじゃないの?」
「そんなに俺を痛がらせたいのか」
「そうだよ?」

 竹岡が関節技を外し、今度は日高の首に腕を回し、()めた。これも頻度こそ高くないが、たまにやられていた。

「この際だからはっきり言うね。僕、キミの苦しむ顔や声が大好きなんだ」

 首に圧を感じながら、日高は思い出す。
 中学生になったあたりからだろうか。たしかに、格闘技の技をかけてきたり、痛いツボを押してきたりと、スキンシップが急に多くなっていた。
 だが日高は、それが何か特別な意味を持つものだとは思っていなかった。
 せいぜい、周りにいた女子に「またじゃれ合ってる」と言われ、苦笑でしか返せず困るというくらいのものでしかなかった。

「冗談、だよな」
「冗談なんかじゃないよ。せっかく言ったのに、努力を無駄にしないでよ」

 急に首を巻く腕に力が入った。

「っ」
「あ、今の声はちょっとだけいいかな。まあ足りてはないけど。でもどう? ちょっとは僕の本気が伝わった?」

 慌てて竹岡の腕をほどいて首締めから逃れた日高は、十数秒せき込み、十数秒肩を上下させて呼吸を整えた。

「……すまないがわからない。というよりも、理解できない」
「なんで? 日高、運動できるだけじゃなくて頭もいいのに」
「そういう問題じゃないだろ」
「そう?」
「ああ。第一、もしそういうことなら、勉強するのは黒魔術じゃないのか? 白魔術は痛めつけるほうじゃなくて治すほうだろ。お前とは幼稚園からの付き合いだが、今聞いたことは何もかもがわからないぞ」
「それなんだけどさぁ」

 竹岡が
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