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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第205話:絞り出される怒り
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せたな、颯人。ここからはアタシも一緒だ!」
アームドギアを構えながら言う奏に、颯人は一瞬言葉を失いながらも頭を振って気を取り直す。
「いや、ちょ、待て待てッ! コンサートはどうしたんだよッ!」
「安心しろって。アンコールも込みでさっき全部終わった」
まさかと思い颯人が懐中時計を取り出せば、時刻は終了予定時間をとっくの昔に過ぎていた。遠くから見える会場の方を見れば、鮮明には見えないがそれでも会場を離れていく車の動きなどが見て取れた。
その光景に呆気に取られる颯人に対し、奏は彼の胸板に軽く拳を当てながら感謝の言葉を口にした。
「ありがとうな。颯人の、皆のお陰で歌を聞きに来てくれた人達は皆楽しんでくれた。皆が笑顔で、アタシと翼、マリアの歌を聞いてくれた。誰1人失われずに、だ。あの時とは違う」
奏の脳裏に、3年ぶりに颯人と再会した時のライブの光景が思い浮かぶ。あの時は多くの観客に犠牲が出てしまった。だが今回は違う。全ての観客が楽しみ、満足しながらこのライブを思い出に帰っていった。それはただライブが成功したと言う事以上の安心と満足感、達成感を奏達に齎してくれた。
颯人は奏から向けられる笑みに、それまで体に圧し掛かっていた疲労が抜けていくのを感じた。あれ程重く感じていた体が今は驚くほど軽い。胸に当てられた拳を通じて、力が流れ込んでいるような感覚を味わっていた。
気付けば颯人は胸に当てられた奏の手を包む様に掴んでいた。
「そっか……今度は、しっかり守れたんだな」
「あぁ」
「なら、後は……」
「アイツらを何とかするだけってな!」
そう言って2人が視線を向けた先では、奏と翼の合体技で吹き飛ばされたオーガが体勢を立て直している姿があった。オーガは痛めた首筋を気遣う様に首筋に手を当て、筋肉を解す様に数回首と肩を回している。
「ちっ、そっちも増援か。まぁいい、どれだけ来ようと皆俺が食ってやる」
「上等だ。食えるもんなら食ってみやがれ。奏、行くぞ!」
「あぁっ!」
颯人と奏は手に指輪を嵌め、それぞれハンドオーサーとギアコンバーターに翳した。そうして発動するのは、互いに信じあい愛し合うからこそ生まれる最強の魔法。
〈イィィンフィニティ! プリーズ! ヒースイフードー! ボーザバビュードゴーーン!!〉
〈ブレイブ、プリーズ〉
インフィニティースタイルとなった颯人と、ウィザードギアブレイブとなった奏がオーガの前に立ち塞がる。2人から放たれる気迫にオーガは一瞬気圧されそうになるも、それを堪えて足を前に進め大剣を2人に振り下ろした。
「オラァァァッ!」
振り下ろされた大剣を、颯人はアダマントストーンの鎧で受け止める。レギオンファントムの一撃すら容易く受け止めた鎧は、オ
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