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インフィニット・ストラトス〜黒き守護者〜
睨み合い
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か凰の首をピンポイトで締めていた。

「悪いな。経験の差だ」
「……アンタ、一体どんな悲惨な人生を歩んでいるのよ」
「それはノーコメントで」

 相手をするのも疲れたので、篠ノ之とオルコットの呆れ声を背に一夏の方に行った。ちなみにだが、本音はいつの間にか消えた。

「そういえば、シャルルのISってリヴァイヴなんだよな?」
「うん、そうだよ。―――あ、腕が離れてきているから、ちゃんと一回ごとに脇を締めて」

 その後のデュノアの指示は見事なものだった。俺は射撃にはそこそこ自信を持っているが、それでも勉強になる。

「で、そのISなんだけど、山田先生が操縦していたのとだいぶ違うように見えるんだが本当に同じ機体なのか?」
「おそらく山田先生が使っていたのは訓練機。そしておそらくデュノアが使っているのは専用機ということだろ?」

 俺の言葉にデュノアは肯定した。

「うん。僕のは風宮君の言うとおり専用機だからかなりいじってあるよ。正式にはこの子の名前は『ラファール・リヴァイヴ・カスタムU』。基本装備(プリセット)をいくつか外して、その上で拡張領域(バススロット)を倍にしてある」
「倍!? そりゃまたすごいな……。ちょっともらいたいぐらいだ」
「あはは。あげられたらいいんだけどね。そんなカスタム機だから今量子変換(インストール)してある装備だけでも20くらいあるよ」
「うーん、ちょっとした火薬庫みたいだな」
「ちょっとしたどころじゃないがな」

 よく考えたら、俺は9個だな。これでもまだ増える予定だし。

「ねえ、ちょっとアレ……」
「ウソっ、ドイツの第三世代型だ」
「まだ本国でのトライアル段階だって聞いてたけど……」

 急にアリーナ内がざわつきはじめ、俺は即座にその原因の方を見る。そこにはドイツの代表候補生、ラウラ・ボーデヴィッヒがISを展開してこちら―――正確には一夏を見ていた。

「おい」

 ISの開放回線(オープン・チャネル)で呼びかけられる。

「……なんだよ」
「貴様も専用機持ちだそうだな。ならば話が早い。私と戦え」

 俺も人のことを言えないだろうが、戦闘狂か?

「イヤだ。理由がねえよ」
「貴様にはなくても私にはある」

 なんだよ。まるで因縁があるみたいに……。

「貴様がいなければ共感が大会二連覇の偉業を成し得ただろうことは容易に想像できる。だから、私は貴様を―――貴様の存在を認めない」

 ………何こいつ。

「また今度な」

 一夏がそっけなく返すと、

「ふん。ならば―――戦わざるを得ないようにして―――!!」

 ボーデヴィッヒの動きが急に止まる。その理由は―――俺が《キロプテル》を彼女の首に向けて遠隔展開したからだ。
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