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私 あの人のこと 好きなのかも やっぱり好きなんだよ 昔からー
第7章
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数日後、お昼休みに大学の庭園で伊織利さんと一緒だった。私の作ったおにぎりを食べながら

「マオ この前 寮のほう 大丈夫だったのか?」

「ウン 知らんぷりして部屋に帰れたヨ 真菜にはバレたけど でも イオんとこで お風呂 入ったやんかー ウチ そのまま 下着つけて無かったんよー それで、帰ったから 不安やった」

「だからー 俺のん 貸してやるって言ったのにー」

「アホ! そんなん できるかー」

「ちゃんと 洗濯してあるからー 変らへんがなー」

「・・・ ちゃう・・・」 こっちに来るときに、お母さんから大学生なんだから、と それなりのものを揃えてもらったのだが、お姉ちゃんからは餞別と、もっと過激なものを「これっくらいじゃぁないと 馬鹿にされるよ」と渡されていて、あの日は、そのレースで縁取られた濃いピンクのものを着けていた。心の片隅には、もしかしてという思いもよぎっていたのだ。

「あのさー 先祖のこと 親父に聞いてみたんだ やっぱり、昔過ぎてわからないという返事だった。だけど、地元の古い家に聞いてみれば、いろいろと昔の文書とかあるだろうから、わかるかも知れないって」

「イオってさー 確かめたいと思うの?」

「俺は それを確かめたって どうなのよって思ってる どうであれ 俺は マオのことが好きだ 奥浦真織がね 今の真織が好きなんだ 生まれる前なんて関係ない だから、どっちでもいいよ 糸姫様なんて 伝説なだけだろう?」

「ありがとう イオ・・・ だけど マオは その伝説を信じてしまってるのよ だってー」 彼は、一緒に寝ている時に、私が、思わず 「伊良夫 抱いて」とつぶやいてしまったことを知らないのだ。

「無理ないよ! それだけのことがあるんだったら 当然だよな でも それがふたりを導かせたものなんだったら それで、いいじゃぁないか その糸姫様も 幸せになって 沢山の元気な子供を産んでね って言ってたんだろう? 俺は マオを幸せにする だから、糸姫様も喜ぶよ」

「イオ・・・ 真織は あなたから 離れないけど 良いのかなぁー」

「当然だよ もう離さないって言ったろう マオも今の俺だけを見てくれ! 先祖がどうだとか関係無い それにさー マオは俺を追って来てくれたんだろう? じぁさー 北海道だったんならどうよー 深川翠にも会わないし そんな言い伝えも知らない訳だろう? だから たまたまなんだよ 俺はマオを離さない それだけさー」

 その時 私は 学内でなかったら、抱き着いていただろう。次の日、翠さんと会って

「糸姫様のこと 彼に話した?」

「あのね 彼の先祖は三方五湖の方なんだって だから 私 いらぶっていう人と繋がりあるんじゃぁないかと思ってしまってー 定かじゃぁないんだけど 私
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