第六章
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「お写真とそっくりね」
「戦争前は巨人の監督で」
「戦後阪神の監督になった」
「その人とね」
まさにというのだ。
「そっくりだけれど」
「今は甲子園におられて」
「阪神が勝ったからね」
今日はというのだ。
「お祝いで飲んでるのかしら」
「そうなのね」
「若し本人さん達だったら」
伊月はそれならとだ、呉に話した。
「歴史は今もね」
「あるわね」
「続いているわね」
こう言ってだった。
伊月はビールを飲んだ、呉もそうした。そうして野球の歴史を感じながら飲むのだった。
戦前の野球 完
2024・5・30
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